コンセプトカフェやメイド喫茶などのエンタメ要素を含んだ店舗で、キャストがタロット占いを提供するケースが増えています。お客様とのコミュニケーションを深める一環として人気ですが、こうしたサービスは法律的に問題ないのでしょうか？本記事では、占い行為と法的リスク、運営上の注意点について詳しく解説します。
占いは法律で規制されているのか？
まず前提として、日本では「占い行為そのものを直接禁止する法律」は存在しません。したがって、タロットや手相、数秘術などを使った占いを提供すること自体は原則として合法です。
ただし、一定の条件下では問題となる可能性があります。たとえば、医療類似行為、霊感商法、詐欺まがいの金銭要求など、他の法令に抵触するケースが該当します。
コンセプトカフェでのタロット占いの法的な位置づけ
店舗スタッフ（キャスト）がタロット占いを提供する行為は、原則として接客の一環として認識され、特に問題視されるものではありません。料金が発生する場合でも、それが通常の飲食代やセット料金に含まれている形であれば、追加の資格や許可は不要です。
しかし「占い1回○○円」といった形で明確に料金を取り、対価性があるとみなされる場合には、より厳密な運用が求められます。
問題になる可能性のある法律とその内容
- 薬機法・医師法違反：占いで病気の診断や治療を助言するのはNG。
- 特定商取引法・消費者契約法：高額な占いサービスの押し売りや継続契約はトラブルに。
- 風営法：深夜営業での占いや、性的サービスと誤認される演出があると届出の対象となる可能性。
これらの法律に抵触しないよう、提供する内容や価格設定には配慮が必要です。
キャストに資格は必要？
占い師として活動するうえで、国家資格のような「法的に必要な免許」は存在しません。そのため、キャストが無資格でタロット占いを行っても違法にはなりません。
ただし、知識や経験の浅いキャストが占いをすることで、お客様に不適切な助言をしてトラブルになることもあるため、研修などを通じて最低限の知識とマナーを身につけさせることが推奨されます。
実例：占い導入が成功しているカフェ
都内のあるメイドカフェでは、タロット占いを「セットメニューの一部」として導入。1人5分程度、ライトな占いを提供することで、リピーター率が向上したという事例があります。
この店舗では「おみくじ感覚」で楽しんでもらうことを重視し、「当たる・当たらない」を前提にしないスタンスを明確にしています。
安全に提供するためのガイドライン
1. 占いは「娯楽」であると明示する
2. 占いを理由に高額請求しない
3. 健康・投資・人間関係など重大な判断は助言しない
4. 許認可が必要な業態（深夜営業、接待を伴う飲食など）とは分離して運営
まとめ：法律を理解したうえで楽しく運営を
コンセプトカフェでのタロット占いは、一定のルールと節度を守れば法律上問題なく提供することが可能です。
エンタメとしての位置づけを守りつつ、お客様との楽しいコミュニケーションの一環として活用することで、リピーターの獲得や店の魅力向上にも繋がるでしょう。
ただし、法律やトラブルのリスクを理解したうえで、安全に運営することが大切です。