通勤中の自損事故で擦過傷だけでも労災申請すべき?病院受診と労災隠しのリスクを徹底解説

通勤中にバイクで転倒し、擦過傷だけだったとしても、「病院に行くべき?」「労災の手続きって必要?」と迷う人は少なくありません。特に軽傷の場合、大げさにしたくない気持ちも理解できます。しかし、自己判断で対応すると労災隠しとみなされるリスクもあるため、正しい知識が重要です。

通勤中のケガは原則「通勤災害」として労災の対象

労働者災害補償保険法では、通勤中の事故によるケガは「通勤災害」に該当し、労災保険の給付対象になります。転倒や自損事故であっても、自宅から職場への移動中であれば補償される可能性が高いのです。

軽微な傷であっても、労働災害としての事実は記録に残すことが重要です。後から痛みが悪化するケースや感染のリスクもあるため、記録を残しておくことで安心につながります。

擦過傷でも病院受診すべき理由

たとえ歩行に支障がなく、擦過傷程度であっても、病院を受診することは推奨されます。理由は以下の通りです。

  • 感染症や化膿のリスクがあるため、消毒や抗生剤処方が必要なことがある
  • 医師の診断書があると労災の証明として強力な証拠になる
  • 後日悪化した際の治療費補償を受けやすくなる

応急処置で済むと思っていた傷が、2〜3日後に痛み出したり膿んでしまったりするケースもあります。そうした場合に「初動で診察を受けた」という記録があるかないかで大きな差が出ます。

「大げさにしたくない」気持ちとどう向き合うか

「週3回のアルバイトで、あまり手間をかけたくない」「職場に迷惑をかけたくない」という気持ちは理解できます。しかし、労災申請は労働者の正当な権利であり、使用者側もそれに協力する義務があります。

また、通勤災害は勤務時間中の労働災害とは異なり、雇用主側の過失が問われるケースが少ないため、比較的スムーズに処理される傾向にあります。遠慮する必要はありません。

労災隠しとみなされるリスクとは?

万が一、会社が労災申請を拒否したり、記録を残さなかった場合、それは「労災隠し」とみなされることがあります。これは労働基準監督署に通報されれば行政指導や処分の対象になり得る重大な違反です。

また、自ら病院受診を避けることで、後に補償が受けられないリスクが生じる点も見逃せません。診療記録がなければ、後日痛みが悪化しても因果関係を証明できず、補償対象外となる可能性があります。

労災申請と受診の手順

1. 職場から交付された労災関係の書類(様式第16号の5など)を受け取る
2. 書類を持って病院を受診(労災指定医療機関か確認)
3. 医師に「通勤中の事故」であることを説明
4. 書類を病院で記入してもらい、職場へ提出

病院によっては手続きに慣れているところも多いため、事前に労災取り扱いの有無を確認するとスムーズです。

まとめ|軽いケガでも早めの対応が後悔を防ぐ

バイクでの通勤中に発生した擦過傷でも、労災の対象となり得ます。軽傷と思っても、病院受診と労災申請を行っておくことで将来的なトラブルを防げます。迷ったときは「記録を残す」ことを第一に考え、安心して働ける環境づくりを心がけましょう。

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