インターネット通販で注文した商品を受け取らずに拒否したにも関わらず、後日事業者から「商品代・配送料・手数料・事務手数料」などの請求が届くケースが増えています。「本当に支払い義務があるのか?」と不安になる方も多いでしょう。この記事では、そのような請求が届いた背景や法的な支払い義務の有無、具体的な対応策について解説します。
受け取り拒否でも料金請求が来る理由
多くの通販サイトでは、注文を確定した時点で「売買契約」が成立します。つまり、商品を受け取る前でも、購入の意思表示を行った瞬間から契約上の義務が発生しているのです。
そのため、購入者が一方的に「受け取り拒否」をした場合でも、事業者側には商品の準備や発送にかかったコストが発生しており、それに基づく料金を請求してくる場合があります。
「前払いでない=キャンセル自由」は誤解
中には「代引きだから前払いしていない。だからキャンセルしても支払い義務はない」と考える人もいますが、それは誤解です。代引きもれっきとした契約方法の一つであり、注文を確定した段階で法的には「契約」が成立しています。
消費者契約法などによる保護はあるものの、正当な理由なく受け取り拒否をすると債務不履行と判断される可能性があります。
請求された内容の内訳と妥当性
よく見られる請求明細の例。
- 商品代金:3,000円
- 配送料:1,000円
- 代引き手数料:500円
- 回収事務手数料:2,500円
このように合計で7,000円近くになるケースもあります。商品代金や送料、代引き手数料は実費と考えられますが、「回収事務手数料」などは過剰請求として法的に問題になる可能性もあるため、内容を精査する必要があります。
支払い義務が発生するかを判断するポイント
以下のポイントを確認しましょう。
- 注文時に「キャンセル不可」などの記載があったか
- 事業者側が損害の証拠(送料の領収書等)を提示しているか
- 受け取り拒否の理由が正当(破損、誤配、詐欺的サイトなど)か
これらの情報をもとに、支払うべきか、異議を申し立てるべきかを判断します。消費者庁の案内も参考になります。
支払いを拒否したい場合の対応方法
支払いに納得できない場合、まずは事業者に対して書面(またはメール)で異議申し立てを行いましょう。具体的には「契約内容」「請求内容の不当性」などを冷静に説明します。
それでも解決しない場合は、国民生活センターや法テラスに相談し、法律的な支援を受けることをおすすめします。
まとめ:支払い義務があるかどうかはケースバイケース
商品を受け取っていないからといって、必ずしも「支払わなくてよい」とは限りません。注文時点で契約が成立していれば、受け取りを拒否しても一定の支払い義務が生じる場合があります。ただし、請求内容の妥当性には注意が必要で、過剰な請求や不当な手数料が含まれているケースもあります。
まずは請求書の内訳を確認し、冷静に対応しましょう。必要に応じて公的機関や法律専門家に相談することで、正当な権利を守ることができます。