交通事故に巻き込まれた直後は、身体的なショックに加え、保険の手続きに戸惑う方も多いのではないでしょうか。特に、自転車対車の事故では、自賠責保険の仕組みや加害者とのやりとりに悩むケースが増えています。本記事では、被害者が選択できる3つの方法を比較し、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
①加害者による「加害者請求」の特徴
これは加害者側が保険会社に対して請求を行う方法です。被害者は必要書類(診断書や領収書など)を加害者に渡し、保険会社が加害者に保険金を支払います。
メリット:被害者が保険会社とのやりとりをしなくて済み、手間が少ないのが特徴です。
デメリット:加害者の対応に依存するため、連絡が滞ったり誠実に手続きされない可能性があります。
②被害者による「被害者請求」の特徴
自賠責保険では、被害者自身が直接保険会社に請求することも認められています。これが被害者請求です。相手に住所を伝え、保険会社から書類が届きます。
メリット:手続きの進捗を自分で管理できるため、確実性が高い。加害者の対応が遅い・不誠実な場合でも確実に請求できます。
デメリット:書類準備や送付など、やや手間がかかります。
③直接相手に請求(自賠責を使わない)の注意点
加害者と示談し、治療費などをそのまま口座振込してもらうパターンです。一見シンプルですが、注意が必要です。
メリット:手続きが簡潔で、保険会社とのやりとりが不要。
デメリット:後遺症が後から出た場合など、追加請求がしづらくなる。法的効力が弱く、未払いなどのリスクもあります。
最もおすすめの方法は「②被害者請求」
自転車と車の事故において、確実かつ安全に医療費をカバーするなら、被害者請求が最もバランスが良い方法です。書類がやや多いという難点はありますが、請求が認められれば治療費や通院交通費など最大120万円まで補償されます。
事故直後の段階で示談してしまうと、後に発覚した症状に対応できなくなる可能性もあるため、焦らず自賠責保険を活用しましょう。
必要書類と手続きの流れ
- 事故証明書(警察で取得)
- 診断書・治療費の領収書
- 通院交通費の記録
- 印鑑・本人確認書類
これらを揃えて保険会社に郵送し、審査・支払いが行われます。支払いまでは1〜2ヶ月程度かかることが一般的です。
まとめ:事故後の補償は確実性を重視すべき
事故の経験が少ない方にとって、自賠責保険の使い方はわかりづらいものです。しかし、「相手任せ」や「口約束での支払い」は後にトラブルを招きかねません。
少し手間でも、自ら保険会社に請求を行うことで、安心して治療に専念でき、万が一の事態にも備えられます。今後のためにも、事故対応の基礎をしっかり理解しておきましょう。