近年、テレビショッピングやインターネット通販での”お試し価格”による購入後に、知らぬ間に定期コースへ移行されてしまうというトラブルが相次いで報告されています。この記事では、よくある事例やその仕組み、そしてトラブルに巻き込まれた際の対応方法について詳しく解説します。
「お試し価格」購入後の定期コース移行の仕組み
一見お得に見える”990円のお試し価格”の商品には、小さな文字や別ページへのリンクに「定期購入が条件」などと記載されているケースがあります。注文時に同意チェックを求められることもありますが、内容を見落とす利用者が多いのが現実です。
このような手口は「ステルスマーケティング的な販売手法」として問題視されており、消費者庁も度々注意喚起を行っています。
トラブル事例:勝手に定期コースで商品が届く
典型的なケースでは、初回のみお得な価格で注文できるが、2回目以降は通常価格で自動的に発送されるパターンです。中には、解約手続きが複雑で、解約期日を過ぎるとキャンセルできないという条件が設定されていることもあります。
たとえば「白楊オールインワンクリーム」のような商品で、990円でお試し購入後、定期購入3,980円の商品が代引きで届き、家族が支払ってしまう…という事例も実際に報告されています。
販売元の主張と消費者の権利
販売元は「商品発送時に定期購入であることを明記しており、確認の連絡がなかったため自動的に継続」と主張することがあります。しかし、消費者契約法においては、不明瞭な表示や誤認を誘導する販売方法は無効とされる可能性があります。
また、「はっきり断った」「定期を希望しない」と明言したにもかかわらず、自動的に契約が成立したとされる場合には、不当表示や誇大広告の疑いも生じます。
実際に被害にあったら取るべき行動
- まずは販売元に電話・メールでキャンセルと返金を要求
- 契約内容(初回注文時の画面や申込書)を保存しておく
- 内容が不明確であったことを主張する
- 応じてもらえない場合は、国民生活センターや自治体の消費生活センターへ相談
支払い方法が代引きだった場合、今後は家族に事情を説明し、荷物の開封・支払い前に確認を徹底することも再発防止につながります。
定期購入トラブルを未然に防ぐポイント
- お試し購入時は、申し込みページを最後まで読む
- 「定期購入の条件」「解約ルール」「初回特別価格の適用条件」の記載に注意
- 初回のみの注文が可能か、事前にカスタマーセンターに確認する
- トラブルが多い商品や会社名をネットで事前に検索し、評判を調べる
たとえキャンセルできたとしても、精神的なストレスや金銭的負担を避けるためには、最初の一手が肝心です。
まとめ:強引な定期コース誘導には慎重に対応を
「お試し価格」で始めたつもりが、意図せず定期コースへと自動移行されてしまう事例は少なくありません。企業側の主張に惑わされず、自身の意思表示が明確だったことや、契約時の不備などを根拠に毅然と対応しましょう。
そして何より、怪しいと感じたらすぐに行動することが、トラブル回避への第一歩となります。