住宅街や狭い道路を運転していると、不注意で他人の家や塀に車をぶつけてしまうケースがあります。小さな損傷であっても、対応を誤ると後にトラブルになる可能性があるため、正しい対応を知っておくことが重要です。
まず確認すべきこと：被害の程度と安全確保
事故直後はまず安全を確保し、車両の損傷や家屋側の損壊状況を確認しましょう。目視で分からなくても、壁の角などは内部にダメージが及んでいる可能性もあります。軽微に見えても放置せず、写真を撮影して記録に残すのが望ましいです。
また、現場で交通の妨げになる場合は速やかに車を安全な場所に移動し、事故の二次被害を防ぎましょう。
警察への報告義務はあるのか？
結論から言えば、物損事故でも警察に届け出る義務があります（道路交通法第72条）。特に他人の財物を損壊した場合、警察に報告しないと「報告義務違反」として処罰対象になる恐れがあります。
「少し凹んだだけだから」と放置せず、念のため通報して現場検証を受けることをおすすめします。警察に通報すれば事故証明書を取得でき、保険の手続きにも必要となります。
家の持ち主には連絡すべきか？
他人の財物に損害を与えた場合は、誠意を持って相手に連絡することが社会的・法的責任です。家の所有者が不在であっても、近所の方に連絡先を聞くか、メモをポストに入れて対応を促す方法があります。
逃げたと判断されて後日防犯カメラなどで特定された場合、信頼関係を損ねたり、修繕費用の請求が高くなることもあります。
保険は使える？物損事故での対応
多くの自動車保険には「対物賠償保険」が含まれており、今回のようなケースでの補償対象となります。事故当日に保険会社に連絡して、対応方針を確認しましょう。
物損事故でも事故証明が必要なため、警察への通報を怠ると保険金が下りない場合があります。これも通報を優先すべき理由の一つです。
親や周囲に「言うな」と言われた場合の注意点
家族や知人が「面倒になるからやめておけ」と助言してくる場合がありますが、法律的には報告しない方がリスクが大きいです。のちに発覚して「当て逃げ」扱いになると、刑事責任や保険の不払いにもつながりかねません。
事故直後の冷静な判断が重要です。「隠す」より「誠実な対応」が自分の信用を守る行動になります。
まとめ：物損事故こそ誠実な対応を
他人の家に車をぶつけてしまった場合、たとえ小さな損傷であっても、警察への通報・持ち主への報告・保険会社への連絡の3点を基本とした対応が求められます。
「小さなことだから」「怒られるから」と隠してしまうと、後で取り返しのつかない事態を招くこともあります。正しい手順で誠意ある対応を取ることが、トラブル回避と信頼の維持につながります。