ネット予約サービスの利用が一般的になった今、個人情報の取り扱いやどこまでの情報が店舗側と共有されているのか、不安を感じたことがある方も多いのではないでしょうか。特に、過去の予約キャンセル履歴などが別の店舗にも伝わっていると感じた場合、その背景や法的な根拠について理解しておくことが大切です。
ネット予約時に店舗に共有される基本情報
多くのネット予約サービスでは、利用者が予約する際に登録した情報の一部が予約先の店舗に共有されます。通常共有されるのは以下のような情報です。
- 氏名
- 電話番号
- メールアドレス
- 年齢層や性別(任意登録に応じて)
- 予約日時・メニュー内容
これらの情報は、スムーズなサービス提供のために必要最小限のものとされ、利用規約やプライバシーポリシーにも記載されていることが一般的です。
キャンセル履歴や利用状況も共有されるのか?
問題となりやすいのは、過去のキャンセル履歴や「無断キャンセルの常習者である」といった評価的な情報が共有されるかどうかという点です。予約サイトによっては、利用規約や加盟店規約において、「トラブルのあったユーザーに関する情報は一定範囲で共有されることがある」と明記されている場合があります。
たとえば、予約ポータルによっては、加盟店に対し「キャンセルの多いユーザー」や「無断キャンセルの履歴があるユーザー」について、注意喚起として通知する機能を設けていることもあります。ただし、このような情報は個人を特定する情報ではなく、傾向としての共有にとどまることが多いです。
キャンセル履歴は個人情報に該当するのか?
個人情報保護法上の「個人情報」とは、「生存する個人に関する情報で、特定の個人を識別できるもの(氏名、連絡先、履歴など)」を指します。キャンセル履歴自体は、それ単体では個人情報とは言い難いですが、他の情報と照合することで個人を特定できる場合は個人情報と見なされる可能性があります。
つまり、「〇〇さんは複数回キャンセルしています」という情報が、他の識別情報(名前や電話番号など)とセットで伝えられる場合、それは個人情報として取り扱われるべきという考え方が有力です。
利用者が確認すべき予約サイトの規約や方針
予約サービスを利用する際は、そのサービスの「利用規約」や「プライバシーポリシー」を事前に確認することが重要です。そこに、情報共有の範囲や第三者提供の有無、情報管理の方法が記載されています。
また、店舗が独自に追加で情報を蓄積・利用している場合は、その店舗の個人情報保護方針も確認することが望ましいでしょう。過剰な情報共有や不適切な対応があった場合は、まずは予約サービスの運営会社に問い合わせることをおすすめします。
トラブルを避けるための利用者側の配慮
キャンセルが必要になった場合は、可能な限り早めに連絡を入れることが基本です。また、キャンセルが複数回続くとシステム上で注意ユーザーとされることがあるため、繰り返しのキャンセルは避けるよう心がけましょう。
不当と思われる扱いを受けた際には、感情的にならず、冷静に事実を確認した上で、必要であれば個人情報保護委員会や消費生活センターに相談することも選択肢に入ります。
まとめ:情報共有の実態を知り、安心してネット予約を活用するために
ネット予約サービスでは、利便性と引き換えに一定の情報が店舗と共有されるのが実情です。ただし、どこまでの情報が共有されるかは予約サイトの方針や加盟店規約に左右されるため、ユーザーとしても十分に規約を確認することが大切です。
また、キャンセル履歴のような情報が個人情報に該当する可能性もあるため、過剰な共有や不当な扱いを受けたと感じた際には、記録を残し、適切な手段で対応を求めましょう。安心してネット予約を使うためにも、情報リテラシーを高めておくことが必要不可欠です。