名前に使えない?改名が認められるケースとNGとされる名付けの基準とは

子どもの名前をつけることは、親にとって特別で大切なイベントのひとつですが、日本には戸籍法などによって「認められない名前」や「変更が認められる可能性のある名前」のルールが存在します。この記事では、どんな名前が出生届で受理されないのか、またどのような事情で改名が裁判所に認められるのかを具体例とともにわかりやすく解説します。

日本の名付けに関する法的なルール

日本では名前に関して以下のルールが設けられています。

  • 使用できる文字は常用漢字、人名用漢字、ひらがな、カタカナに限られる
  • 戸籍法施行規則により、社会通念上著しく不適切な名前は受理されない
  • 読み方に対する法的制限はないが、極端に奇抜であれば改名理由になる

つまり、読み方の自由はあるものの、常識から外れた名前は、子どもの将来に不利益を与える可能性があるとして却下されるケースもあります。

出生届で受理されにくい名前の傾向

例えば、以下のような名前は出生届で受理されない、あるいは受理されても後に改名が認められやすい傾向があります。

  • 社会通念上不適切な語句を含む名前:例:「故人(ひさと)」「銀行(かねゆき)」「通夜(みちよ)」
  • 身体や生理現象を想起させる語句:例:「臭織(かおり)」「爪太(そうた)」
  • 物品名・商標・機関名を模した名前:例:「寿司(ひさし)」「京成(きょうせい)」「ウルトラマン(例)」

これらの名前は、本人が成長した際にからかわれたり、いじめの対象になる可能性があると判断されることが多いです。

家庭裁判所で改名が認められる主な理由

戸籍法第107条第1項により、名前の変更(改名)は「正当な事由」がある場合に限り認められます。主な理由には以下のようなものがあります。

  • 名前が社会生活に支障をきたすほど珍奇または異様である
  • 同姓同名による不利益
  • 宗教的・信仰上の理由
  • 性別に合わない名前(例:「直美」で男性)

たとえば「故人(ひさと)」や「通夜(みちよ)」といった名前は日常生活での誤解や精神的ストレスを引き起こす可能性があるため、改名が認められる例に該当するでしょう。

実際に問題とされやすい例とその理由

以下は、今回挙げられた名前のうち、特に問題となりやすいと考えられる例とその理由です。

名前 読み 懸念される理由
故人 ひさと 故人=亡くなった人の意味を連想させ社会的誤解を生みやすい
臭織 かおり 「臭い」という否定的イメージが含まれており不適切
通夜 みちよ 死者に関わる言葉で縁起が悪いとの評価がある
銀行 かねゆき 法人名・商業施設を連想させ誤解を招く
寿司 ひさし 飲食物の名称であるため不自然・不適切とされやすい
ブザー ぶざー 機械音や警告音を連想させ人名としての適正に欠ける

上記の名前は、生活の中で呼ばれるたびに困惑や精神的負担を生む可能性があるため、特に注意が必要です。

改名を希望する際の手続き

改名を希望する場合、家庭裁判所に「名の変更許可申立書」を提出しなければなりません。申立てには以下の書類が必要です。

  • 戸籍謄本
  • 改名理由を記載した申立書
  • 改名が正当であることを示す証拠(診断書・証言・記録など)

申立てが認められた後は、裁判所の許可書を添えて役所で戸籍の変更手続きを行います。

まとめ:名前は一生の財産、社会的視点も大切に

名前は単なる記号ではなく、社会生活におけるアイデンティティそのものです。名付けの自由は認められていますが、その影響力の大きさから法律上の制限も存在します。

出生届が受理されない、あるいは裁判所で改名が認められるかどうかは、社会通念や生活上の実害があるかどうかがポイントになります。名前をつける際、または改名を検討する際は、専門家への相談も含めて慎重に判断しましょう。

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