駐車場でのドアパンチ被害に遭い、加害者が立ち去ってしまった——そんな状況に憤りを感じた経験がある方も多いでしょう。本記事では、360度ドライブレコーダーで証拠が残っている場合の対応方法や、損害賠償請求のポイント、そして保険の活用方法について詳しく解説します。
ドアパンチは立派な物損事故:証拠が重要
車のドアを勢いよく開けて隣の車にぶつけてしまう「ドアパンチ」は、れっきとした物損事故です。加害者が名乗り出ない場合やその場から逃げた場合は、当て逃げ(道路交通法違反)にも該当する可能性があります。
本件のように、加害車両のナンバー、顔、当たった瞬間の映像・音声がドライブレコーダーで記録されている場合、警察は積極的に加害者を特定し、事情聴取や事情確認を行います。
加害者が否認した場合の対応と弁護士費用特約
加害者が「当てていない」「知らない」と否認するケースも少なくありません。こうした場合に頼りになるのが、自動車保険に付帯する弁護士費用特約です。
この特約は、「被害者となった場合の損害賠償請求」において加害者が任意保険を使わない・否認しているなどのトラブル時に利用可能です。保険会社によっては物損でも使用可能な場合があるため、契約内容を確認し、使える場合は弁護士に委任して交渉を進めることが可能です。
賠償請求できる内容と範囲
損害賠償の対象はドアの凹みや傷の修理費用だけに留まりません。以下の項目についても請求可能性があります。
- 板金・塗装修理費用
- ガラスコーティングの再施工費用(部分再施工でも見積もりが可能)
- 代車費用(修理中の移動手段が必要な場合)
- 精神的苦痛に対する慰謝料(認められるかはケースバイケース)
コーティングについては「被害前の状態に戻す」ために必要な費用として認められることがあります。施工証明書や施工時の領収書があれば有利になります。
被害届の提出と警察の対応
すでに被害届を出して受理されたとのことですが、これはとても重要な第一歩です。映像・音声・顔写真などの証拠がそろっている場合、警察も積極的に捜査してくれる可能性が高まります。
ただし、警察が物損事故扱いと判断した場合、刑事的な処罰までは期待できないこともあります。それでも民事での損害賠償は別ルートで請求可能なので、保険会社や弁護士と連携して進めましょう。
民事調停・訴訟を視野に入れる
加害者が非を認めず、話し合いが平行線をたどるようであれば、民事調停や簡易裁判を通じて請求する手もあります。弁護士費用特約が使える場合は積極的に相談し、損害賠償請求書や見積書、証拠映像の提出などを進める準備をしましょう。
まとめ:泣き寝入りせず、冷静かつ粘り強く対応を
ドアパンチのような「些細な損傷」に見える被害でも、証拠がそろっていれば適切な賠償を受ける権利があります。感情的にならず、法的・保険的な手段をフルに活用して、冷静に対処することが大切です。
小さな損害でも「資産を傷つけられた」という事実は重く、逃げたことが事態を悪化させたことも加味して、毅然とした態度で臨みましょう。