車の名義は自分、でも実際の購入費用や維持費は配偶者が負担している──そんな状況で「車を使わせてもらえない」トラブルに悩んでいませんか？家庭内の財産関係や感情のもつれから起きやすいこの問題を、法的視点と実例を交えて詳しく解説します。
車の所有者と支払い者が異なる場合の法的関係
車の所有者は、車検証に記載されている「所有者欄」の名義人が基本となります。つまり、名義があなたになっている場合、たとえ支払いが夫であっても、法的にはあなたが所有者とみなされることが多いです。
ただし、夫が全額支払い、かつ「贈与の意思」がなかったと主張した場合、所有権を争われることもあります。裁判では「誰がどのような意図で購入したか」「車の利用実態」などが重視されます。
夫が貸してくれない理由と心理的背景
「1円も払っていないのに使うな」という夫の発言には、金銭面での不公平感や支配欲が隠れている場合があります。また、感情的なもつれや夫婦関係のバランスが関与していることも。
特に、車が高額な買い物であることから「自分のもの」と感じる傾向が強くなりやすく、それが貸し渋りにつながります。
解決策①：話し合いで合意形成を図る
まずは冷静に話し合いを試みましょう。感情的にならず、仕事で車が必要な理由や、その重要性を具体的に説明すると効果的です。例えば「◯日から通勤で使いたい。交通手段が他にない」といった具合です。
譲歩案として「ガソリン代や保険料は負担する」「使用ルールを決める」などの条件を提案するのも有効です。
解決策②：第三者や専門機関を介する
家庭内の話し合いで解決が難しい場合、市区町村の家庭相談センターや無料の法律相談、あるいは弁護士を介する方法もあります。感情的な対立を避け、公正な判断を得るための手段です。
特に、DVや経済的支配が背景にあると感じる場合には、早めの相談が重要です。
解決策③：自分で車を手配する選択肢
現実的に車が必要であれば、軽自動車や中古車を短期的に購入・リースする選択肢も検討してみてください。月額1万円台のリース車両や、頭金0円ローンも存在します。
一時的なコストはかかりますが、自立性を確保できるうえ、夫との無用なトラブルを避けられるというメリットがあります。
事例紹介：似たケースでの対応
40代女性Aさんは、自身名義の車に夫が支払いを行っていたが、別居後に夫から「使うな」と言われました。市の無料法律相談で「所有権は名義人にある」と助言を受け、家庭裁判所の調停を通じて使用権を確保したという実例があります。
一方で、同様の状況で泣き寝入りせず、自分で車を買う決断をして自由を得た女性もいます。費用はかかりますが、精神的負担は軽くなったとの声が多いです。
まとめ：所有と使用は別の話、でも感情の整理も重要
名義があなたであっても、実際の使用は感情や関係性が影響します。まずは冷静な話し合いで合意形成を目指し、それが難しい場合は専門家の力を借りることも選択肢のひとつです。
最終的には、自分が安心して生活・仕事ができる手段を選ぶことが大切です。車の使用を通じて家庭のバランスを崩すのではなく、自立や協調を目指して解決策を模索しましょう。