もらい事故により自車が修理となった場合、相手の過失割合が100%であれば原則として代車費用も相手側が負担することになります。しかし、修理完了後に代車を返却できない期間が発生した場合、その費用負担がどうなるのかについては注意が必要です。
代車の使用は「必要性」が前提
代車費用が補償されるのは、基本的に「車が使えないため、日常生活や仕事に支障が出る」などの必要性がある期間に限られます。つまり、修理完了後も車を引き取りに行けない事情がある場合、それが正当と認められれば代車費用の請求は可能です。
しかし、「単に平日は忙しいから引き取りに行けない」といった理由では、相手側(加害者の保険会社)が負担を拒否する可能性もあるため、個別の交渉が必要です。
修理完了後の代車利用費用は誰が払う?
多くの場合、修理完了の連絡を受けた日が「代車費用補償の最終日」とされるのが一般的です。そのため、たとえば月曜日に修理完了の連絡を受け、土曜日にしか車を引き取りに行けない場合、火曜〜金曜分の代車費用は自己負担になる可能性があります。
ただし、仕事など正当な理由があることを伝えた上で、相手保険会社が理解を示してくれれば、その期間も補償対象になる場合もあります。交渉と説明がポイントです。
費用負担を避けるための交渉ポイント
代車費用の補償を最大限に受けるためには、事前の相談と調整が重要です。たとえば以下のような対応をおすすめします。
- 修理完了予定日が近づいたら保険会社に連絡し、引き取り可能な日を伝えておく
- 仕事の都合で平日に引き取りできない旨を正直に説明
- 可能であれば修理工場と直接相談し、引き取り日の調整を行う
誠実に説明することで、柔軟に対応してもらえる可能性があります。
代車の返却はできるだけ早めに
万が一、保険会社が修理完了日以降の代車使用を「不要な期間」と判断した場合、返却が遅れた分については自腹負担となる可能性があります。レンタカー会社と直接契約しているケースでは、1日あたり数千円〜1万円以上かかることも。
そのため、修理完了の連絡を受けたら、早めの返却手配をするのが望ましい対応です。
具体例:週末しか引き取りに行けないケース
たとえば以下のようなケースを考えてみましょう。
日付 | 状況 |
---|---|
月曜日 | 修理完了の連絡 |
火〜金 | 仕事で引き取り困難 |
土曜日 | 実際に引き取り |
この場合、火曜〜金曜の代車使用が「やむを得ない」と判断されれば保険会社の負担、そうでなければ自己負担になることがあります。迷ったら修理工場や保険会社に早めに相談しましょう。
まとめ:修理完了後の代車費用は事前調整がカギ
相手の過失100%のもらい事故であっても、修理完了後の代車費用は無条件で全額カバーされるわけではありません。修理が完了したら速やかに車を引き取る、または正当な理由があれば事前に説明・交渉しておくことで、トラブルや自己負担を防ぐことができます。
不安がある場合は、契約している保険会社や事故の相手方の保険会社の担当者と細かく確認を取りながら進めることが大切です。