交通事故などの外傷が原因で発症することがある脳脊髄液減少症。頭痛やめまい、倦怠感などの症状に悩まされることが多く、治療法にはブラッドパッチ療法や保存的療法のほか、漢方薬を併用するケースもあります。中でも注目されるのが、体内の水分バランスを整える働きがあるとされる「五苓散（ごれいさん）」です。この記事では、実際に五苓散を試した方の声や効果、服用時の注意点などを紹介します。
五苓散とは？その基本と期待される効果
五苓散は、日本で古くから使用されている漢方薬で、構成成分には猪苓（ちょれい）、沢瀉（たくしゃ）、茯苓（ぶくりょう）、白朮（びゃくじゅつ）、桂皮（けいひ）などがあります。
この薬は、体内の「水毒（余分な水分）」を排出する作用があり、脳脊髄液減少症による頭痛やめまいの軽減に使われることがあります。特に「起立性頭痛」に対して効果があったという声が多く報告されています。
実際の体験談：五苓散を試した方の声
ある30代女性は、交通事故後に脳脊髄液減少症と診断され、日常生活にも支障をきたす激しい頭痛に悩まされていました。五苓散を朝夕2回服用したところ、1週間ほどで頭痛の頻度が軽減し、長時間の外出も可能になったと語っています。
一方で、別の男性は服用しても症状に大きな変化を感じられず、最終的にブラッドパッチ治療を受けたとのこと。五苓散がすべての人に効くわけではないというのも事実です。
五苓散が効果的とされる症状の特徴
- 起立時に悪化する頭痛（いわゆる低髄液圧症候群）
- 体内の水分バランスの乱れによるむくみ・倦怠感
- 天候による不調（気圧変動に伴う頭痛など）
こうした症状が強い方ほど、五苓散の効果を実感しやすいと言われています。
五苓散を服用する際の注意点
漢方薬とはいえ、自己判断での服用は避け、必ず医師または漢方専門の薬剤師に相談することが大切です。特に他の薬と併用する場合は相互作用のリスクも考慮する必要があります。
また、症状が軽快しない場合は、厚生労働省の医療情報を参考に、早めに脳神経外科など専門の医療機関を受診しましょう。
他の治療法との併用で相乗効果も
五苓散は単独での効果に加え、保存的治療（安静や点滴）やブラッドパッチ療法と併用されることもあります。特に症状の初期段階では、五苓散だけでも十分な効果が期待できるケースもあります。
体質や症状に応じて、他の漢方薬（例：釣藤散、加味逍遥散など）が処方されることもありますので、総合的な視点での治療が重要です。
まとめ：五苓散は選択肢の一つとして有用
脳脊髄液減少症に対する五苓散の効果は人によって異なりますが、特に起立性頭痛に対して改善を感じる方が多いようです。副作用が比較的少ないことから、症状の軽減を目指す選択肢として検討する価値はあるでしょう。
ただし、自己判断での服用は避け、必ず医療機関に相談することが基本です。あなたに合った最適な治療を見つけるためにも、専門家と連携しながら対策を進めていきましょう。