AI画像生成ツール「Stable Diffusion」の人気に伴い、倫理や法的な問題への注目も高まっています。中でも深刻なのが「未成年ポルノの生成・拡散」について。この記事では、Stable Diffusionの公式スタンスと、日本および国際的な法律に基づいた視点で、ローカル生成や配布のリスクについて解説します。
Stable Diffusionの公式利用規約と未成年ポルノ
Stable Diffusionを開発・提供しているStability AIは、利用規約およびライセンス上で児童ポルノや性的搾取的表現を目的とした生成を厳しく禁止しています。
具体的には、公式の開発モデルやサービスにおいて、以下のような行為は禁止されています。
- 18歳未満と見なされる人物の性的コンテンツ生成
- 架空であっても未成年を模した性的描写
- その画像の共有・商用利用
これは倫理面だけでなく、法的な責任の回避と社会的信頼性の確保を目的とした制限です。
ローカルで生成すればバレない？その誤解と現実
「ローカルPCで生成していれば誰にもバレない」「Stable Diffusionで作ったとは言わなければ問題ない」と考えるのは極めて危険です。
たとえ誰にも知られないつもりであっても、生成・保存・配布した時点で違法行為に該当する可能性があります。
とくに児童ポルノ禁止法（日本）では、以下のような行為も処罰対象です。
- 架空であっても児童の性的表現（アニメ・CG含む）を描写したものの所持
- 自分で作った画像を他人に見せる・配布する行為
- 営利目的でなくても保存やクラウドへのアップロード
国内外の法規制と生成AIの取扱い
日本では「児童買春・ポルノ禁止法」「わいせつ物頒布罪」などにより、未成年を描写する性的なコンテンツは原則禁止されています。2023年には生成AIによる創作物にも対応できるよう、法改正の議論も進んでいます。
また海外でも、アメリカ・EU諸国・カナダなどでは、実在児童に類似するAIポルノも違法とされるケースが増えています。たとえ実写でなくても「児童性描写を目的とした制作行為」が裁かれる可能性があるのです。
Stable Diffusionでの安全な活用ガイドライン
生成AIの利用は自由度が高い反面、責任も伴います。以下の点に留意することで、安全かつ合法的な活用が可能です。
- モデルやプラグインの使用許諾（License）を事前確認
- 登場人物が未成年に見える構図・服装・文脈のプロンプトは避ける
- ファイルを保存・公開する前に、自身の倫理観と法律に照らして確認
違法性があると判断された場合、生成した人物が実在しなくても処罰対象になり得るため、十分な注意が求められます。
まとめ：生成した瞬間から「自己責任」になる
Stable Diffusionの利用規約では、未成年のポルノ的生成を明確に禁止しています。ローカルで作成していたとしても、生成や保存、配布・販売といった行為が違法・倫理違反であることに変わりはありません。
AI画像生成が身近になった今だからこそ、法的・社会的な責任を自覚したうえで、健全で創造的な活用を心がけましょう。