在宅起訴状が届いた際、「私選弁護士も国選弁護士も頼まない」にチェックを入れた場合、裁判所の対応や後の影響が気になるところです。特に資産150万円ある状態で国選弁護士の対象になるか、拒否しても問題ないのかについて解説します。
在宅起訴とは?弁護士選任の選択肢
在宅起訴とは、勾留されず自宅で生活しながら刑事裁判を受けることを意味します。起訴状には弁護人についての意思確認欄があり、「私選弁護士を依頼する」「国選弁護士を希望する」「どちらも依頼しない」の選択が求められます。
どちらにもチェックを入れない場合でも、一定の要件を満たすと裁判所が職権で国選弁護人を付けることができます(刑事訴訟法36条の2)。
資産150万円ある場合、国選は使えない?
国選弁護士の対象は、原則として資産が50万円以下とされており、資産150万円の場合は形式上は対象外となります。ただし。
- 資産の内容が流動性のないもので生活に直結しない
- 債務超過や収入状況から支払い困難と判断される
などの事情がある場合は例外的に国選対象となるケースもあります。最終判断は裁判所の裁量です。
国選弁護士を拒否することはできるか
被告人の意思として「どちらの弁護士も希望しない」と表明することは可能です。ただし、以下のような場合は裁判所が職権で国選弁護人を選任することがあります。
- 罪状が重大で、懲役刑の可能性がある(3年超の刑など)
- 弁護人なしでは著しく不利益となると判断される
- 本人が十分に手続保障を受けられない恐れがある
つまり、資産や希望に関わらず「裁判の公正を保つため」に裁判所が選任する場合もあるのです。
私選も国選も依頼しないことのリスク
弁護人なしで裁判を受けることは法律上可能ですが、以下のようなリスクがあります。
- 法律や手続の知識不足で防御権を十分に行使できない
- 反論・証拠提出の機会を失う
- 量刑が重くなる可能性がある
たとえ軽微な案件であっても、刑事裁判は人生を左右する判断を下される場であるため、弁護士の関与は極めて重要です。
まとめ
在宅起訴で「私選も国選も希望しない」とすることは可能ですが、以下の点に注意が必要です。
- 資産が150万円あっても、場合によっては国選が付くことがある
- 罪の重さ・手続保障の観点から、裁判所が職権で選任するケースもある
- 弁護人不在での裁判は不利になりやすく、慎重な判断が必要
どうしても弁護士に頼らず進めたい場合も、一度だけでも法律相談を受けて判断材料を増やすことを強くおすすめします。