インターネット上に過去に投稿した悪口や誹謗中傷に後悔し、削除を試みても自分で消せず、弁護士に依頼した──その判断は本当に“チクる”ことになるのでしょうか?本記事では、弁護士に依頼することの意味や、誤解されやすい点について詳しく解説します。
弁護士に依頼したこと=チクったことになる?
結論から言えば、弁護士に相談・依頼することは「密告」ではなく、法律上正当な手続きです。
例えば、自分が投稿した書き込みが第三者の名誉を傷つける内容だった場合、そのまま放置すると損害賠償請求や刑事告訴につながる可能性があります。その前に自発的に削除しようとするのは、むしろ誠実な対応であり、責任ある行動と評価されます。
弁護士が勝手に相手に伝えることはある?
弁護士は職業倫理により守秘義務(弁護士法23条)を負っています。依頼人の許可なく、書き込み主の情報や相談内容を第三者に漏らすことは基本的にありません。
ただし、サイト運営者やプロバイダに削除請求を行う際に、当該投稿がどの内容か・誰が投稿したかをある程度明らかにする必要がある場合がありますが、それでもあなたの名前や身元を公開することは通常ありません。
過去の投稿が削除できない理由と弁護士の役割
インターネット上の投稿は、次のような理由で自己削除が困難なことがあります。
- 掲示板や口コミサイトにログインできない
- 投稿から時間が経ち、管理者が対応に応じない
- 一度削除しても、コピーサイトや魚拓が残っている
このような場合、弁護士が運営会社に法的根拠を示した削除請求を行うことで、削除成功率が大きく高まります。また、Google等の検索エンジンに「検索結果削除請求」をする場合も弁護士の介入が有利に働きます。
罪になるのか?責任を問われる可能性
書き込みの内容によっては、名誉毀損罪(刑法230条)や業務妨害罪に該当する可能性があります。ただし、自主的に削除対応を取っていることや、反省の意志を示している場合は処分が軽くなる傾向があります。
実際、多くの裁判例では「書き込み後すぐに削除対応を依頼し、本人の謝罪があった」場合、損害賠償や示談で終了しています。
「弁護士に頼んだら余計な問題を招くのでは」と思ったら
不安に思うのは自然なことですが、弁護士は依頼者を守るために存在します。むしろ自己判断で動くことでトラブルが拡大するリスクの方が大きく、次のような対応が推奨されます。
- 事実関係をまとめたメモを作成
- 相談だけでも可能な法律事務所に連絡
- 弁護士に削除請求だけを依頼し、交渉や相手対応は控える
また、法律相談は無料または初回5000円程度で受けられるケースも多いため、法テラスのような公的機関の活用もおすすめです。
まとめ
・過去に投稿したネット上の悪口の削除を弁護士に頼むのは“チクる”行為ではなく、法的に正しい手続きです。
・弁護士には守秘義務があり、勝手に情報を漏らすことは基本的にありません。
・むしろ自己判断で放置するほうがリスクであり、早めの対応が将来のトラブル回避になります。
安心して弁護士に相談し、後悔を減らす一歩を踏み出してみてください。