任意整理で返済中に司法書士が辞任するというケースは珍しくありません。辞任後の流れや、債権者とのやりとり、返済に関する不安を感じる方も多いでしょう。本記事では、司法書士辞任後の注意点や対応方法について、実務経験をもとに解説します。
司法書士が辞任するとはどういうことか
司法書士の辞任とは、債務者(あなた)との委任契約を解除し、以後の対応を自分で行うという状態です。辞任後は代理人として債権者とのやりとりを行わず、あなた自身が直接対応することになります。
多くの場合、辞任の理由は弁済代行手数料の負担や、依頼人側の判断による解約です。辞任後も和解内容に基づいて返済義務が残ることには変わりありません。
辞任通知後の債権者からの対応
司法書士から辞任通知が債権者に届くと、債権者はあなたが今後の連絡窓口となることを認識します。これにより、今後の連絡や書面はあなた宛に届く可能性があります。
ただし、すでに和解書が交付されており、その和解条件に従って返済が継続されている場合、多くの債権者は追加の書面送付や契約手続を求めません。
連絡が届く可能性がある主なケースは以下の通りです:
- 和解条件と異なる支払いがあった場合
- 長期間入金が確認できない場合
- 連絡先住所や電話番号が変わった場合
和解書の効力と今後の返済について
一度成立した和解書には法的拘束力があり、司法書士が辞任したとしてもその効力は継続します。つまり、和解書に記載された金額・スケジュール通りに支払い続ければ、債務は確実に減額・完済へ向かいます。
和解書を失くさないよう保管し、支払い記録も通帳・振込控えなどで管理しておくことが大切です。後日「支払い実績証明」としても使えることがあります。
パスワードやアカウントを持っていない場合の確認方法
今回のように登録せず進めた場合、債務状況を確認するためのマイページが利用できないこともあります。その場合は債権者に直接連絡して、返済状況や和解条件の確認を行うことが可能です。
連絡時には以下の情報を手元に準備しましょう:
- 契約者氏名
- 生年月日
- 和解書に記載された契約番号または管理番号
これらを伝えれば、本人確認が取れたうえで最新情報を教えてもらえるケースがほとんどです。
実際にあった事例と注意点
過去に辞任後すぐに返済が遅れ、債権者から「残債一括請求」が届いたという事例があります。これは和解条件に違反したとみなされ、任意整理が無効になった結果です。
このようなリスクを避けるためには、返済スケジュールを守る・支払い証明を保管する・必要に応じて債権者と連絡を取るという3点が特に重要です。
まとめ
司法書士が辞任しても、和解書の内容通りに返済を継続していれば、基本的に問題はありません。債権者からの連絡が来る可能性もありますが、遅延や連絡無視がなければ、特段の対応は必要ありません。
不安な場合は、和解先に電話や文書で確認することをおすすめします。任意整理は「完済までの継続」が大切です。地道に返済を続ける姿勢を保ちましょう。