ネット通販で不良品を返品できない?タグの有無や使用の判断基準と消費者の正しい対応策

ネット通販で購入した商品に不良があった場合、消費者としては当然返品や返金を求めたくなります。しかし、実際には「タグがない」「使用済みと判断される」などを理由に店舗側が返品を拒否するケースも見られます。この記事では、不良品に対する返品の可否をめぐる実情と、消費者としてどのように対応すべきかについて詳しく解説します。

不良品の返品は原則「可能」だが条件がある

日本の消費者契約法では、商品の瑕疵(欠陥)が明らかであれば、たとえタグを取っていたり一部使用していたとしても、販売者には返品・返金・交換などの対応義務があります。これは「契約不適合責任」と呼ばれるものです。

一方で、多くの通販サイトは独自の返品ポリシーを設けており、「不良品は到着後○日以内に連絡」「未使用に限る」などの条件を記載していることもあります。これらはあくまで店舗都合の条件であり、法的には絶対ではありません。

タグを外したら返品不可?それは正当か

不良品の返品において、「タグがないから返品不可」というのは法律上、必ずしも有効ではありません。本来の製品としての機能に欠陥がある以上、タグの有無は重大な判断基準にはなりません。

実際、タグを取った上で着用前に不良に気づいたというのはよくあるパターンです。このような場合でも、「タグを取った=使用した」とは限らないため、店舗側が一方的に返品を拒否するのは不当とされる可能性があります。

「使用済みと見える」だけで返品拒否は妥当か?

使用の有無の判断は非常にあいまいです。例えば梱包を開けて広げただけでも「シワ」や「使用感」が出る場合がありますが、これをもって「使用済み」と判断するのは無理があります。

特に、明確な不良(縫製ミスや破れ、パーツの欠落など)があり、それが使用によって生じたものではないと合理的に説明できる場合、返品拒否の正当性は弱いと言えるでしょう。

店舗の返品対応に納得できないときの対応方法

まずは冷静に再交渉を行いましょう。以下のような手順がおすすめです。

  • 返品規約の該当箇所(不良品の対応)を明示し、返金を求める
  • やり取りはメールなど記録の残る形で行う
  • 不良箇所の写真を再送し、使用で破損したものでないことを強調する

それでも応じない場合は、消費生活センター(国民生活センター)に相談することで、第三者の介入によって解決できる可能性があります。

返品を受け入れておきながら再送してくる事例とは?

今回のように、一度は返品を受け入れたにもかかわらず、後から理由をつけて返送してくる店舗もあります。この対応は信頼性の観点から問題があり、「返品の意思を認めた後に再送する」ことは原則避けるべき対応です。

再送品を受け取ること自体に法的義務はなく、宅配便の受取を拒否することも可能です。ただしその後のやり取りは丁寧に行い、強い口調ではなく記録が残る形で対応しましょう。

まとめ:消費者の立場を正しく主張することが大切

不良品の返品については、消費者側にも強い権利があります。タグの有無や軽度の開封状態を理由に返品を拒否された場合でも、合理的に状況を説明すれば十分対抗できるケースは多く存在します。納得のいかない対応を受けたときは、消費生活センターへの相談や、SNS等での発信によって問題が解決することもあります。

まずは正確な情報と冷静なやり取りを心がけ、消費者としての正当な権利をしっかりと守りましょう。

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