15歳頃にネットで誹謗中傷コメントを投稿し、成人後に人気YouTuberや作曲家として活動している場合、やがて過去の書き込みが発覚して報道されると、実名は報道されるのでしょうか?法律・報道慣行・少年法を整理して解説します。
少年法61条による実名報道の原則禁止
少年法61条では、「家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者」について、氏名・年齢・職業等による特定につながる報道が禁止されています[参照]。この条文は、15歳当時に誹謗中傷を行った場合にも適用されます。成人後であっても、犯行時の年齢が問題であり、少年事件として扱われる間は匿名報道が原則です。
ただし、例外として「放火・殺人など重大事件」では報道機関の裁量で実名報道されるケースがありますが、誹謗中傷はこれに該当しません[参照]。
「特定少年」の実名報道と年齢基準
2022年改正少年法により、18・19歳は「特定少年」として、起訴後の重大事件では報道機関が実名報道を選択できるようになりました。ですが、本件のような誹謗中傷では犯罪構成要件にも該当せず、実名報道に至る可能性は極めて低いと考えられます[参照]。
成人後の影響と報道の実際
有名人になればプライバシー侵害よりも「報道の公共性」が重視されがちですが、少年期の行為は対象外です。中小軽微な罪やSNSでの誹謗中傷は、報道されても匿名であるのが一般的です[参照]。
報道機関は重大性・公共性・社会的影響を総合考慮しますが、少年期のインターネット投稿が実名で報じられる前例はほぼありません。
まとめ:誹謗中傷の発覚時にも実名報道はされない可能性大
まとめると、15歳当時の誹謗中傷について、成人後に発覚しても、少年法61条により匿名報道が原則で、実名報道はまずされません。
もちろん報道は報道機関の自由であり絶対ではありませんが、「重大事件」以外を実名報道した例は皆無に近いため、過度な不安を抱える必要はないでしょう。