ドラレコ映像の顔出し拡散は違法?プライバシー侵害や名誉毀損のリスクを徹底解説

交通トラブルや悪質な運転行為を記録したドライブレコーダーの映像がSNS上で拡散されるケースが増えています。中には相手の顔や車両ナンバーがはっきり映った状態で投稿されることもあり、こうした行為が法的に問題ないのか気になる方も多いでしょう。この記事では、ドライブレコーダー映像を公開する際に気を付けるべき法的リスクと、実際のトラブル事例について解説します。

顔やナンバープレートの映像は「個人情報」や「プライバシー」に該当するのか?

ドライブレコーダーに映った人物の「顔」や「車両ナンバー」は、個人が特定できる情報として扱われる可能性があります。特定の人物であると認識できる情報は、プライバシー権や肖像権の対象となります。

たとえ本人の行為に問題があったとしても、無断で顔や車両情報を含む動画をSNSなどに公開すると、プライバシーの侵害や名誉毀損で訴えられる可能性があります。

プライバシー侵害と名誉毀損の違いとは

「プライバシー侵害」とは、個人の私生活や情報を無断で公表することで、人格的利益を侵害する行為を指します。一方、「名誉毀損」は、公開された情報によって社会的評価が下がることです。

たとえば「悪質運転」と記載された映像が公開され、それが原因でネット上で誹謗中傷や特定行為が始まった場合、名誉毀損が成立する可能性が高くなります。

投稿主が訴えられた事例もある

実際に、交通トラブルの動画をネット上にアップした投稿者が訴えられたケースもあります。たとえば、映像に映った人物が「名誉を傷つけられた」として損害賠償請求を起こし、数十万円単位の賠償命令が出た判例も報告されています。

このように、どれほど相手の運転が悪質であったとしても、顔や車両ナンバーなどの個人が特定され得る情報を許可なく公開することはリスクを伴います。

モザイク処理や音声カットは最低限の配慮

やむを得ず映像を共有する場合には、以下のような対処が求められます。

  • 人物の顔やナンバーにはモザイク処理を施す
  • 個人が特定されないよう、音声や会話はカットまたは加工する
  • 目的が社会的公益(注意喚起や危険の共有)に限定されていることを明示する

それでも「公益性」より「個人の権利」が上回ると判断されれば、訴訟リスクは残るため注意が必要です。

SNSでの拡散は特にリスクが高い

Twitter(現X)やTikTokなどのSNSでは、一度拡散されるとコントロールが難しくなり、「晒し行為」とみなされる可能性が高まります。

炎上リスクだけでなく、刑事告訴や民事訴訟の対象となるケースもあるため、軽い気持ちでの投稿は控えるべきです。

まとめ:ドライブレコーダー映像の公開には慎重さが求められる

交通トラブルの証拠としてドライブレコーダーの映像を活用すること自体は合法ですが、それを「SNSで拡散する」という行為には重大な法的リスクが伴います。

相手に問題があったとしても、顔出しで映像を投稿すれば、プライバシー侵害・名誉毀損・肖像権侵害などで訴えられる可能性は十分あります。やむを得ず公開する場合には、モザイク処理や適切な配慮を忘れず、法律的なリスクも理解した上で行動しましょう。

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