交通事故でよくあるのが「自転車と自動車の接触事故」。とくに交差点での飛び出しによる接触では、どちらにどの程度の過失があるのか気になるところです。本記事では、一時停止を無視してきた自転車との事故における過失割合や対応策、弁護士特約の活用について詳しく解説します。
一時停止無視の自転車との事故の法的構造
日本の道路交通法上、自転車も「軽車両」に分類され、一時停止義務や優先道路のルールは自動車と同様に適用されます。そのため、自転車が一時停止を怠り、優先道路を走る自動車と接触した場合、自転車側に重大な過失があると評価されます。
ただし、自動車側にも徐行義務や危険予見義務があるため、「完全に無過失」とはなりづらいのが現実です。
過失割合の目安:車6:自転車4は妥当?
このようなケースでは、裁判実務での一般的な基準に基づくと「車6:自転車4」という割合が用いられることもありますが、これはあくまで一つの目安です。
実際の過失割合は以下の要素により増減します。
- 自転車の飛び出しの急さや速度
- 自動車の徐行状況
- 視界や時間帯(夜間・見通し不良など)
- ドラレコや目撃証言の有無
場合によっては「車2:自転車8」など、自転車側の責任が大きく認定されるケースもあります。
実例:一時停止違反の自転車との事故判例
過去の判例では、自転車が明確に一時停止を無視して飛び出し、事故になった事案で、自転車に80%の過失が認定されたケースがあります。自動車側が徐行・安全確認していたことが評価されたためです。
一方で、狭い道路や見通しの悪い交差点で自動車側が「注意を怠った」とされた場合、過失割合が5:5などに修正された例もあります。
弁護士特約は使うべき?
弁護士費用特約は、自分の加入保険に付帯していれば、原則無料で弁護士を利用可能です。過失割合が争点になったり、自転車側が主張を変えてきたりした場合には早期に活用を検討するのが得策です。
特約を使えば、示談交渉・過失割合の修正要求・慰謝料の主張など、全て弁護士に任せることができ、精神的にも安心です。
事故直後にやるべき対応と証拠収集
事故後は冷静な対応が肝心です。次の点を押さえておくと後々の交渉が有利になります。
- 警察への届け出(物損でも必ず)
- 事故状況の記録(写真・動画)
- ドライブレコーダー映像の保存
- 自転車側の連絡先と発言内容のメモ
特に「一時停止を無視した」という客観的証拠があれば、自動車側の責任を軽くできる重要資料になります。
まとめ:自転車との接触でも正当な主張が必要
今回のように自転車が一時停止を無視した事故では、車6:自転車4という過失割合がスタートラインになることが多いですが、状況次第で十分修正可能です。
弁護士特約を活用すれば、交渉を専門家に任せて安心して対応でき、適切な補償と過失判断が得られます。まずは事故状況をしっかり整理し、必要であれば早めに弁護士へ相談しましょう。