自転車事故とわいせつ事件で捜査に差が出るのはなぜ?警察対応の違いとその背景

同じように被害が出ているのに、ある事件は積極的に捜査され、別の事件では捜査が進まない――そう感じたことはありませんか?今回は「下半身露出の犯人は防犯カメラで捜査されるのに、自転車のひき逃げは調べてもらえないのはなぜか?」という疑問を切り口に、警察の捜査体制や優先順位の背景を解説します。

捜査方針は「事件の性質」と「被害の重大性」で変わる

警察がどの事件にどの程度のリソースをかけるかは、犯罪の類型や社会的影響、被害の深刻さによって判断されます。たとえば、わいせつ事件は再犯リスクが高く、子どもや女性など弱者が狙われる傾向が強いため、早急な身柄確保が求められます。

一方で、自転車事故は当事者同士の過失割合や事故状況が複雑で、事件性(故意性)が低いと判断されることがあり、「ひき逃げ」として認定されない場合には優先度が下がる傾向にあります。

「ひき逃げ」か「事故の放置」かで大きく変わる

ひき逃げとして刑事事件になるためには、道路交通法第72条に基づく「救護義務違反」や「報告義務違反」が問える必要があります。しかし、自転車同士の事故では警察が「民事上の問題」として処理する場合があり、事件として認知されないことも。

たとえば、軽微な怪我で相手がその場で立ち去った場合、警察は「双方で解決を」と言って積極的に捜査しないケースもあります。

防犯カメラの調査にもリソース配分がある

防犯カメラ映像の解析は膨大な時間と人員を要するため、警察は「被害の重大性」や「社会的影響」の大きい事件から優先して対応します。暴力・性犯罪・連続犯などは映像提供の要請が迅速に行われます。

一方、自転車事故では「事故の証拠を自分で集めてください」と言われることも多く、防犯カメラ映像も、管理者に直接交渉しない限り入手できないケースが多いです。

警察対応の差に納得できないときの対処法

対応に不満がある場合は、都道府県警察の監察室や苦情受付窓口に問い合わせることができます。また、事故の責任を追及したい場合は、国家公安委員会や、地域の交通事故相談所・弁護士への相談も有効です。

自転車同士の事故であっても、相手が逃げたことにより治療費や通院費を請求できない場合には、民事訴訟や調停によって補償を求めることも可能です。

被害の内容と記録をしっかり残すことが重要

事件として捜査を進めてもらうには、警察に「証拠」「診断書」「被害状況の説明」が明確にできることが重要です。口頭だけの説明では「軽微」と判断される恐れがあるため、写真や動画、目撃者の証言を集めるようにしましょう。

たとえば、「相手がぶつかった直後に逃げた」「出血して救急車を呼んだ」など、客観的な事実を伝えることで警察も事件性を認知しやすくなります。

まとめ:捜査対応に差が出る理由と行動のヒント

警察の捜査対応に差が出る背景には、犯罪の重大性や証拠の明確さ、社会的影響度などが関係しています。もし対応に納得がいかない場合は、上位組織への相談や弁護士を通じて正式な請求・交渉を行うことが大切です。

「泣き寝入り」にならないよう、証拠を残し、手順を踏んで訴える力を持つことが、被害者にできる最大の防衛策となります。

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