ホテル業界で社員が深夜帯のシフトに急に入れられるなど、予期しないシフト変更に困っている方に向け、法律面と実務の視点から整理した内容をまとめました。
シフト変更は「労働条件の変更」か?
労働契約法では、シフトは労働条件の一部とみなされ、一旦確定したシフトの変更には労使双方の合意が必要とされています :contentReference[oaicite:0]{index=0}。
つまり、会社が一方的に「異なる時間帯のシフト」に配置してくるのは、原則として違法です。
急なシフト変更が違法となる状況
使用者都合で休みにされたり勤務時間が変更された場合、事前同意がないと契約違反になりやすく、休業手当支給の対象にもなります :contentReference[oaicite:1]{index=1}。
特に「深夜帯への配置替え」や「休憩明けの勤務」は、本人の同意なしには許されません。
深夜清掃や対応仕事の法的側面
深夜時間帯(22時~翌5時)は、割増賃金対象となります(深夜25%増)。これが突然のシフト変更で課されている場合は、労働条件の重大変更とも言えます :contentReference[oaicite:2]{index=2}。
さらに労働時間が長くなれば、時間外・休日手当も発生します。
労働者として取るべき具体的アクション
- まずは就業規則や労働条件通知書を確認し、シフトの取り扱いルールを把握する。
- 支配人に対して「異動・配置を事前に説明し、同意を得てほしい」と書面やメールで依頼する。
- それでも改善されない場合、労基署への相談を行い「一方的に不利益なシフト変更がある」旨を伝える。
会社都合の配置変更に対して請求できる補償
使用者側の都合によるシフト変更で減給された場合、平均賃金の6割以上の休業手当もしくは差額賃金の補償を請求できる場合があります :contentReference[oaicite:3]{index=3}。
時給制の場合は「働くはずだった時間分の時給」を請求することになります。
円滑な職場関係を維持するための工夫
トラブル回避のため、以下のような対応が効果的です。
- 交渉時には具体的に不安なシフト時間帯と都合を伝える。
- 可能ならシフト希望表を提出して、今後のシフトが予測できる形にしてもらう。
- 話し合いの履歴(メール等)は記録保管し、証拠として残す。
それでも改善しない場合の選択肢
支配人との対話・労基署への相談を経ても状況が改善しない場合は、弁護士に内容証明で申し入れ、最終的には労働審判や民事訴訟も検討します。
ただし、円満解決を望むならまずは交渉や相談に力を入れるのが大切です。
まとめ
労働法の観点から「同意なく深夜シフトに配置される」は違法のおそれが高く、必要であれば労基署相談や休業補償の請求も可能です。まずは支配人へ誠実に対応の改善を求め、改善されなければ専門相談へ移るのが現実的な進め方となります。