日常生活でつい軽い気持ちで行った行為が、思いがけず警察沙汰になることがあります。特に公共性や他人の所有物に関わる行動には注意が必要です。本記事では、たとえ被害金額が数十円程度であっても警察に通報される可能性がある事例をもとに、法律的な対応や流れについて解説します。
水道の無断使用は何罪になるのか？
他人の敷地内や設備（たとえば水道）を本人の許可なく使用した場合、「窃盗罪」や「軽犯罪法違反」に問われる可能性があります。仮に使用量が少額であっても、行為自体が「他人の財物を不法に使用した」と見なされると、法律上の処分対象となる可能性があります。
例えば、無断で民家の外の水道で顔を洗った場合でも、それが明確な所有者の財物である限り、窃盗罪の構成要件を満たす場合があります。使用量が少ないからといって免責されるとは限りません。
警察が介入するケースと対応の流れ
被害届が出された場合、警察は事実確認のために事情聴取を行います。この時点で「被害金額が少ないから問題ない」と自己判断するのは危険です。取調べの結果、行為の悪質性や常習性、反省の有無などによっては、書類送検の対象となります。
送検とは、警察が捜査結果を検察に送ることを指します。たとえ不起訴となる可能性が高い場合でも、形式的に書類送検されることは珍しくありません。
検察での処分の可能性と判断基準
書類送検後、検察は事件の重大性や社会的影響、前科の有無などを総合的に勘案して起訴・不起訴の判断を下します。今回のような「被害額40銭」といった極端に軽微なケースでは、不起訴処分となる可能性が高いですが、呼び出し状が届くこともあります。
実際に検察庁からの呼び出しが来る場合、出頭は任意ではなく、無視した場合は逮捕や略式命令の対象となる恐れもあるため、真摯に対応する必要があります。
軽微な行為でも注意が必要な理由
「これぐらいなら大丈夫だろう」と思って行った行為でも、被害者や第三者の目には悪質に映ることがあります。特に、監視カメラや目撃者がいた場合には、警察への通報に発展することが多く、法的な手続きを免れることは難しくなります。
軽微なトラブルを避けるためにも、公共の場や他人の所有物に関しては、必ず許可を得るという意識を持つことが重要です。
もし取調べや書類送検されたらどうする？
自分が加害者とされる立場に置かれた場合、黙秘権や弁護士を選任する権利があります。軽微な事件であっても、記録が残ることや今後の生活に影響を与えることも考えられるため、法テラスや弁護士会などへの相談を検討しましょう。
反省の姿勢を明確にし、相手方への謝罪や損害弁償を行うことが、寛大な処分に繋がる場合もあります。
まとめ：軽微な行為でも法的責任が生じる可能性を認識しよう
被害額が少なくても、他人の所有物を無断で使用すれば法的な責任が発生することがあります。警察や検察の判断は金額の多寡よりも、行為の意図や社会的な影響を重視します。日常生活の中でも、他人の権利を尊重し、トラブルを未然に防ぐ意識を持つことが大切です。