結婚を真剣に考えている人にとって、「結婚詐欺」は非常にショックなトラブルです。金銭的な被害だけでなく、心にも深い傷を残すこの問題について、具体的な手口や実例、見抜くポイント、対処法までをわかりやすく解説します。
結婚詐欺とは何か?法律上の定義と実態
結婚詐欺とは、結婚の意思がないにも関わらず、あるかのように装い、相手から金銭や財産をだまし取る行為を指します。法的には「詐欺罪(刑法246条)」に該当し、10年以下の懲役が科される可能性があります。
特徴的なのは、恋愛感情や結婚という“信頼関係”を悪用して詐取行為を行う点にあり、通常の詐欺よりも悪質とされることもあります。
結婚詐欺のよくある手口とその特徴
結婚詐欺には典型的なパターンがいくつかあります。代表的な例には以下のようなものがあります。
- 「家族の入院費が必要」「事業がピンチ」といった名目でお金を要求
- 「結婚資金のために貯金している」と言って一時的に預かる
- 遠距離恋愛を装い、なかなか会わずにネットや電話だけで関係を深める
被害者の多くは、真剣に交際していたために疑うことができなかったと証言しています。
実際の被害事例に学ぶ注意点
実例①:40代女性がマッチングアプリで出会った男性から、「起業資金が必要」として合計800万円を騙し取られた。交際期間は半年以上にわたり、結婚の話も進んでいたが、突然連絡が取れなくなった。
実例②:50代男性が国際ロマンス詐欺に巻き込まれ、SNSで知り合った外国人女性に「日本で一緒に住むため」と送金を繰り返し、最終的に500万円の被害に。
これらの事例は、甘い言葉や結婚の約束が“武器”になる危険性を物語っています。
結婚詐欺の見抜き方とチェックポイント
以下のような特徴が見られる場合、注意が必要です。
- 金銭の話がやたら早い段階で出てくる
- 素性を明かさず、家族や職場の情報に一貫性がない
- なかなか会えない、もしくは会うときの条件が限定的
- 連絡手段がSNSやアプリだけ
- 「絶対秘密にして」と周囲との接触を断とうとする
違和感を覚えたら、相手の話を第三者に相談することが重要です。
被害に遭ったときの対処法と相談先
結婚詐欺かもと思ったら、まずは証拠の保存を徹底してください。メッセージ履歴、送金記録、相手のプロフィールなどが重要な証拠になります。
次に、以下のような窓口へ相談しましょう。
- 最寄りの警察署(生活安全課)
- 警察庁サイバー犯罪相談窓口
- 国民生活センター
- 弁護士による法律相談(法テラスなど)
できるだけ早期に相談することで、被害の拡大を防ぐことができます。
詐欺に遭わないための心構えと予防策
婚活やマッチングアプリを利用する際には、相手の言動に一貫性があるかどうかを見極める目を持ちましょう。恋愛感情が深まると冷静な判断が難しくなるため、定期的に信頼できる家族や友人に相談することも大切です。
また、必要以上にプライベートな情報や金銭に関わる話題が早期に出てくる相手には慎重になるべきです。
まとめ:結婚詐欺のリスクを理解し、安心して愛を育むために
結婚詐欺は、心の隙間に入り込む巧妙な犯罪です。しかし、正しい知識と慎重な行動によって、被害を未然に防ぐことが可能です。相手を信じる気持ちは大切ですが、それ以上に自分を守る視点を忘れないようにしましょう。
恋愛も結婚も、“信頼”と“確認”が両立してこそ安心です。