配偶者の不倫が原因で別居に至り、今後離婚を見据えて生活を続ける場合、生活費や住宅ローンの負担をどのように整理し、法的に守るかはとても重要な課題です。特に共有名義の住宅や金銭的支援がある場合、口約束では将来的にトラブルになる可能性もあるため、しっかりと備える必要があります。
夫婦間の金銭的取り決めは「書面」で残すことが基本
生活費や住宅ローンの分担についての合意は、必ず書面で記録に残すべきです。「覚書」や「合意書」といった形式で作成し、署名・捺印をしておくことで、将来的な支払いトラブルを回避できます。
特に「別居中は夫が住宅ローンの半額と毎月〇万円の生活費を支払う」など、金額・期間・条件を明記しておくことが重要です。
法的効力を持たせるなら「公正証書」がおすすめ
さらに確実性を高めるなら、公証役場で作成する「公正証書」にしておくことが推奨されます。公正証書には債務不履行時の強制執行が可能な文言を盛り込むことができ、万一支払いが止まった場合に差押えなどの法的措置が可能となります。
費用は1〜2万円程度が一般的で、内容の複雑さにより前後しますが、弁護士に相談すれば内容チェックも受けられます。
離婚成立前でも婚姻費用分担請求が可能
別居中であっても、夫婦である以上は生活費の分担義務が法的に存在します。これを「婚姻費用分担請求」と言い、話し合いがまとまらない場合は家庭裁判所に調停を申し立てることも可能です。
裁判所の算定表を基に支払い金額が決められますので、配偶者の収入状況なども含めて客観的な基準で判断されます。
住宅ローンの扱いと今後の住まいの権利について
住宅ローンが夫婦の連名で組まれている場合、たとえ別居してもローンの返済義務は契約者両名に残るため注意が必要です。
家に住み続ける側(この場合は妻)は、居住権を保ちつつ、将来の名義変更や売却の可能性も含めて、ローンや不動産に詳しい弁護士や司法書士に早めに相談しておくことをおすすめします。
録音データの扱いと不貞行為の証拠としての有効性
旦那の自白を録音したデータは、証拠としての価値があります。ただし、法的に有効な不貞の証拠としては、肉体関係を立証する要素があるかどうかも問われます。
必要に応じて、興信所の調査やLINEの履歴、宿泊記録などを追加で収集しておくと、慰謝料請求などで有利になります。
まとめ:感情よりも現実的な備えが重要
別居中の生活費・ローンの分担を確実にするためには、公正証書や合意書の作成が非常に有効です。夫婦の信頼が崩れた状況では、口約束はリスクしかありません。
また、不倫の証拠についても、録音データに加えて客観的な情報があると強力です。法的に自分を守るためにも、早い段階で弁護士に相談し、感情論ではなく具体的な対策を取っていきましょう。