「初回限定価格」「モニター価格」などと広告される商品を注文したら、実は複数回の定期購入契約だった――。そんな経験をされた方は少なくありません。中には「解約できない」「高額な請求が続く」といった深刻なトラブルに発展するケースもあります。本記事では、特に質問の多い健康食品などに見られる定期購入トラブルについて、法的観点と実際の対処法を解説します。
初回安価・実は定期購入は「詐欺」ではなく「誤認を利用した商法」
「初回500円」「今だけお試し無料」などと表示されている商品でも、小さな文字で『定期購入が条件』と記載されているケースが多く、これを見落とすと複数回の購入義務が発生します。これは「送りつけ詐欺」とは異なり、一応の契約意思に基づいていると業者側は主張します。
ただし、表示方法が不明確な場合は、特定商取引法に違反している可能性があります。この場合、契約自体を無効と主張できる余地もあります。
解約できないとされても、解約の自由は守られている
特定商取引法に基づき、通信販売でも定期購入の「最初の申込時点」での契約条件の明示が義務付けられています。「4回以上購入しないと解約できない」という条件が明示されていなかった場合、契約の拘束力は無効となる可能性が高いです。
また、契約書面や注文確認メールに解約方法が明記されていない場合は、「不当表示」として行政指導や取消しの対象になることがあります。
支払いを無視したらどうなる?
「振込をしなかったらどうなるか」という点について、以下のケースが考えられます。
- 法的な支払い義務がある場合:催告や簡易裁判所からの少額訴訟が行われる可能性があります。
- 法的義務が不明確な場合:請求が繰り返されるだけで法的措置に至らないケースが大半ですが、心理的な圧力がかかります。
- 違法業者の場合:法的請求に発展することは少なく、無視が正解です。
いずれにせよ、不安な場合は消費生活センター(188)に相談するのが最善です。
具体的な対応方法と解約手順
- まず契約内容(注文完了時の画面、メール)を保存・確認
- 業者に「特商法に基づく解約通知」を文書またはメールで送付
- 連絡が取れない場合は内容証明郵便の送付も検討
- 埒が明かない場合は消費者センター経由での対応を依頼
なお、メールや電話で「しつこい勧誘」や「支払え」という圧力がかかった場合、それを録音・保存しておくと証拠になります。
こうしたトラブルを避けるためにできること
- 注文時は「※」「小さな文字」に注目
- 「定期購入」と明記されていないか必ず確認
- 有名でないメーカーの商品を買う際は口コミ・評判を検索
- クレジットカードよりも後払い・代引きの方がトラブル回避しやすい
また、SNSやYouTubeで紹介されている案件にも注意が必要です。広告収入目的で紹介される悪質商品の例も後を絶ちません。
まとめ:定期購入トラブルは冷静な対応と法的知識で回避・対処を
初回の価格に惹かれて購入した商品が定期購入であった場合、契約内容の記載や表示の仕方によっては業者に責任があることもあります。無理な請求や「解約できない」という主張に屈せず、まずは契約の確認と適切な相談窓口の利用が重要です。
トラブルに遭ったときは、ひとりで悩まず、国民生活センターなど公的機関に相談することをおすすめします。