日本では銃や刀剣類の所持が厳しく規制されていますが、「銃そのものではなく、実弾だけを持っていたらどうなるのか?」という疑問を持つ方も少なくありません。本記事では、銃刀法や火取法(火薬類取締法)などの観点から、実弾の所持に関する法律的な位置づけと刑罰の可能性について解説します。
実弾の所持は銃刀法違反になるのか?
実弾(実包)は、銃刀法ではなく、火薬類取締法や武器等製造法などの法律により規制されています。つまり、弾丸だけの所持であっても、銃を持っていなくても、違法とされる可能性があります。
特に猟銃や空気銃の弾丸(散弾・ライフル弾など)は、所持するためには警察の許可が必要です。無許可で所持していた場合は刑事罰の対象になります。
関連する法令と違反時の罰則
実弾に関して適用される主な法令は以下の通りです。
- 火薬類取締法:火薬・爆薬・実弾などの製造、所持、輸入、運搬等を規制
- 銃刀法(銃砲刀剣類所持等取締法):銃や刀剣類の所持を規制
- 武器等製造法:武器や弾薬の製造を規制
無許可で実弾を所持していた場合は、火薬類取締法第44条などにより「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」などの罰則が科されることがあります。
実際に逮捕された事例
過去には、インターネットで装飾用の模造弾を購入したつもりが、実弾だったことが発覚し、火薬類取締法違反で書類送検された事例があります。また、空港での持ち込みが発覚し、身柄拘束された例も報道されています。
たとえ故意でなかったとしても、「実弾であると認識し得る状況」であれば違法性が認定される可能性があるため、非常に注意が必要です。
モデルガンやエアガンとの違い
一部のエアソフトガンやモデルガンは合法的に販売されていますが、それに実弾を組み合わせた時点で違法性が生じます。特に改造して実弾を発射可能な状態にした場合、「銃の製造」としてさらに重い罪に問われる可能性があります。
合法的に趣味として扱いたい場合は、法令に準じた「ダミーカートリッジ(非火薬式)」を選ぶ必要があります。
まとめ:実弾所持は銃がなくても犯罪となる可能性がある
日本の法律では、実弾の所持だけでも違法とされることがあります。銃刀法だけでなく、火薬類取締法など複数の法令が関わるため、法律に詳しくない人が知らずに違反してしまうケースも少なくありません。
好奇心や装飾目的であっても、実弾を所持するリスクは非常に高いため、許可なく手に入れたり保管することは絶対に避けるべきです。法令を正しく理解し、安全と法律を両立させた趣味の楽しみ方を心がけましょう。