飲食店のネット予約が当たり前になった今、キャンセルポリシーの内容によっては、思わぬトラブルに発展することもあります。特に「1週間以上前にキャンセルしたのにキャンセル料が請求された」といったケースでは、納得がいかないと感じる人も多いはずです。本記事では、食べログなどのネット予約におけるキャンセル料の法的効力について詳しく解説します。
ネット予約におけるキャンセルポリシーの法的効力とは
食べログなどの予約サイトでは、店舗ごとにキャンセルポリシーが設定されており、その内容は予約時にユーザーが確認・同意したものとして扱われます。したがって、表示されているキャンセル規定が明確であり、予約時に確認できる状態であった場合は、原則として契約として有効と見なされるのが通常です。
たとえば「予約の何日前でもキャンセル料が発生する」「無連絡・連絡あり関係なく一律で請求する」と記載されていれば、それに基づいて料金を請求される可能性があります。
キャンセル料が不当かどうかを判断するポイント
ただし、いかなるキャンセル料でも認められるわけではなく、「社会通念上、相当といえるかどうか」が判断基準になります。
- 店舗が予約のために実際にコストをかけていたか
- 人数や日時など具体的に損害が想定されるか
- キャンセル料が過度に高額ではないか
といった観点から、不当に高額なキャンセル料や、説明が不十分なポリシーに基づく請求であれば、支払いを拒否できる余地もあります。
消費者契約法第9条では「消費者の利益を一方的に害する条項」は無効とされており、場合によってはこの法律が適用されることもあります。
ショートメールでの請求に注意すべき点
キャンセル料の請求がショートメッセージ(SMS)で送られてくることもありますが、リンクをクリックする前に送信元が正当な店舗かどうかを必ず確認してください。なりすましやフィッシング詐欺の可能性もあるため、公式サイトや予約履歴から店舗の連絡先を調べて直接確認するのが安全です。
SMSに表示されたリンクでカード決済などを求められる場合は、詐欺の疑いも強いため、慎重に行動しましょう。
裁判になった場合、負ける可能性はあるのか
キャンセル料を支払わなかった場合に、店舗側が訴訟を起こす可能性は理論上ありますが、実際に訴えられるケースは極めてまれです。仮に裁判になった場合でも、以下の点が争点になります:
- キャンセルポリシーの事前提示があったか
- キャンセル料の金額が合理的か
- ユーザーが内容を確認できる状態だったか
これらをふまえて、裁判所がキャンセル料の妥当性を判断します。事前の説明不足や過度な金額であれば、全額の支払い命令が下るとは限りません。
トラブルを避けるためにできること
予約を入れる際は、キャンセルポリシーを必ず確認し、納得した上で確定するようにしましょう。特に「キャンセル料は予約日から常に発生」などの表記がある店舗は注意が必要です。
キャンセルの連絡はできるだけ早く行い、証拠としてキャンセル処理のスクリーンショットやメール通知を保存しておくと、後のトラブル回避につながります。
まとめ:キャンセル料請求は店舗の権利だが、条件次第で無効の可能性も
食べログ予約でのキャンセル料請求は、キャンセルポリシーが明示されていた場合、基本的には法的にも有効とされます。ただし、内容が過度に一方的である場合や、説明が不十分であった場合は無効と判断されることもあります。
請求に納得がいかないときは、まず店舗に事実確認を行い、その後消費生活センターや法律の専門家への相談も検討しましょう。