任意整理から自己破産へ:同じ司法書士に依頼するべきか?判断のポイントを解説

過去に任意整理を行った方が、その後の経済的事情により自己破産を検討するケースは少なくありません。特に既に相談実績のある司法書士がいる場合、「再び同じ事務所に依頼すべきかどうか」は悩ましいポイントです。本記事では、その判断基準や注意点を詳しく解説します。

任意整理と自己破産の違いを再確認

任意整理は債権者と直接交渉し、返済条件を緩和する債務整理方法であり、裁判所を通さない手続きです。

一方、自己破産は地方裁判所に申立てを行い、最終的に免責を得ることによって債務を法的にゼロにする制度で、法的拘束力の強い手続きとなります。

司法書士が扱える手続きの範囲

司法書士は、自己破産申立て書類の作成代行までは行えますが、代理人として裁判所に出向いたり、裁判所とのやりとりを代行したりはできません(司法書士法第3条)。

したがって、自己破産の際には特に複雑な事案(例えば資産がある、免責不許可事由があるなど)の場合、弁護士への依頼が推奨されることもあります。

過去に任意整理を依頼した事務所に再依頼するメリット

同じ司法書士事務所に依頼する最大のメリットは、債務者の経緯や履歴をすでに把握している点です。書類の準備や本人確認の手間が軽減され、手続きもスムーズになりやすいです。

また、信頼関係が築けている場合は、精神的な負担も少なく、コミュニケーションも円滑に進みやすいという利点があります。

再依頼を避けるべきケースもある

一方で、以前の任意整理で対応に不満があった場合や、自己破産に関する十分な知識・実績がない事務所であった場合には、再度の依頼は慎重になるべきです。

特に「自己破産の経験が少ない司法書士」に依頼すると、書類不備や説明不足によって申立てが長引いたり、免責がスムーズに得られないケースも起こり得ます。

弁護士に変更すべきかどうかの判断軸

以下のような場合は、司法書士ではなく弁護士に相談したほうが安心です。

  • 借金総額が大きく、裁判所の調査が厳しくなりそう
  • 資産を所有しており、「管財事件」になる可能性がある
  • 過去にギャンブルや浪費が原因で債務が膨らんでいる
  • 職場や家族に配慮した対応が必要

弁護士であれば、申立てから免責決定までを一括してサポートしてもらえるため、安心感があります。

まとめ:信頼と実績を基準に最適な選択を

自己破産を検討する際、過去に任意整理を依頼した司法書士に再度お願いすることは合理的ですが、必ずしもベストとは限りません。自己破産における経験値、対応スピード、事例数、そして信頼関係をもとに、冷静に比較検討することが大切です。

状況によっては、弁護士事務所への相談も視野に入れ、無料相談などを活用して後悔のない判断を行いましょう。

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