土地の境界を明確にするために行う境界測量。しかし、隣地所有者との立会いがうまくいかず「不調」となることがあります。その結果として、想定より高額な請求が発生することも。この記事では、境界測量が不調に終わった際の費用トラブルと、減額交渉の注意点について解説します。
境界測量が「不調」とはどういうことか
境界測量においては、関係する土地所有者の立会いが必要です。しかし、協議がまとまらず、合意に至らないケースでは「不調」とされ、測量士が一方的に図面を作成することになります。
このような場合、測量業務そのものは完了したとみなされることが多く、たとえ境界確定に至らなくても測量費用の請求が発生します。
予定費用の3倍を請求されたときの確認ポイント
見積時に明示されていない追加費用が請求されている場合は、契約書や合意書をまず確認しましょう。事前の合意がない追加請求は無効とされる可能性があります。
また、測量士の業務内容・時間・現地立会いの回数などの内訳が明記されているかもチェックしましょう。専門家への相談も有効です。
減額交渉はいつまで可能か？法的な期限は？
基本的に支払い義務が発生する前（請求書受領後・支払期日前）であれば、減額交渉は可能です。民法上、支払義務が確定しても債務の存在に争いがある場合は交渉・調停・訴訟も可能です。
ただし支払済の場合は返還請求となり、証拠や正当性の立証が必要となるため難易度が高まります。
トラブルを避けるための事前対策
- 測量契約時に、成果が得られなかった場合の料金体系を明記しておく
- 見積書と請求書の整合性をチェック
- 不調リスクについて測量士と事前に共有
- 必要に応じて弁護士や司法書士に同席を依頼
このような対策を講じることで、境界測量の不調による費用トラブルを最小限に抑えることが可能です。
実際の事例：交渉次第で半額以下に
ある事例では、事前に「境界不調時は半額請求」と書面で合意していたことが功を奏し、不調後の請求額が半額で済んだケースがあります。
一方で、明確な取り決めがないまま測量を進めた結果、予定の3倍以上の費用を請求された例もありました。このような場合、専門家に交渉を依頼することが解決の糸口となります。
まとめ：冷静に、契約・交渉・証拠を大切に
境界測量での不調は珍しいことではありませんが、その後の費用トラブルは深刻な問題に発展することがあります。請求内容を精査し、納得できない場合は速やかに減額交渉を行いましょう。
また、今後の測量に備えて、契約内容や事前説明の明文化を徹底することで、トラブルを未然に防ぐことができます。