「このままでは電気が止まります。これは最終通告です。1番を押してください」──こんな音声ガイダンスに驚き、つい電話で名前を名乗ってしまった経験はありませんか?近年、このような送電停止を装う詐欺が急増しています。本記事では、このタイプの詐欺の手口、名前を伝えてしまった場合のリスク、そして今後の適切な対処法について詳しく解説します。
「送電停止のお知らせ」詐欺の手口とは?
この詐欺は、自動音声や不審なオペレーターが「電気料金未納」などを理由に、恐怖を与えてボタン操作や個人情報の提供を促します。実在の電力会社を名乗ることで信憑性を持たせ、1番を押すとオペレーターや詐欺業者につながる仕組みです。
特に高齢者や忙しい時間帯を狙ってかけてくるのが特徴で、声や名乗りから個人情報を収集し、次の詐欺へと利用されることがあります。
名前を言ってしまった場合のリスク
結論から言えば、名前だけを伝えた段階で直接的な被害にあう可能性は低いです。しかし、詐欺業者の名簿に「反応があった人」として記録され、将来的に別の詐欺のターゲットにされるリスクは否定できません。
また、名前に加えて住所や電話番号などを引き出す「なりすまし詐欺」の伏線となる可能性もあります。
今すぐできる適切な対処法
- その電話番号を着信拒否設定にする
- 個人情報(住所や口座番号など)を今後絶対に伝えない
- 消費者ホットライン(188)に相談してアドバイスを受ける
- 不安があれば最寄りの警察署に相談記録を残す
これらを早めに行うことで、被害の予防や対処がスムーズになります。
実際にあった被害事例
たとえば2022年、東京都の60代女性が「送電停止の自動音声」に従って1を押し、オペレーターに個人情報を伝えてしまった結果、後日架空請求の手紙が届くという事例がありました。
名前や電話番号、場合によっては声の録音などが「詐欺リスト」として売買されてしまうのです。
怪しい電話を見分ける3つのポイント
- 自動音声で「今すぐ○○しろ」と煽る
- 会社名や担当者名があいまい、または存在しない
- 番号を押させる選択肢(1番、9番など)を提示する
これらに該当する場合は、どんな内容でもすぐに通話を終了し、折り返さないことが原則です。
まとめ:名前だけでも油断禁物、慎重な対応を
「名前を言っただけだから大丈夫」と思いがちですが、詐欺業者は些細な情報でも蓄積し悪用します。大切なのは、今後一切個人情報を伝えないことと、冷静な対応です。
万が一、不安なことがあれば一人で抱えず、国民生活センターや警察へ早めに相談しましょう。冷静な行動が、あなた自身と周囲の人を守る第一歩になります。