ネット上の誹謗中傷や名誉毀損に直面した際、開示請求や示談で解決を図るケースも少なくありません。しかし、示談成立後に相手と音信不通になると、新たな問題が発生することも。今回は、開示請求のタイムリミットや本名・電話番号から住所を調べられる可能性、再対応の方法について詳しく解説します。
開示請求の期限は3か月?「緊急性」と「保存義務」の理解が重要
名誉毀損などの被害があった場合、SNS運営会社(Twitterなど)への発信者情報開示請求は、原則として投稿から3か月以内に行う必要があります。
この期間を過ぎると、発信者の情報(IPアドレスなど)がサーバ上から削除され、開示が困難になります。したがって、すでに3か月以上経っている場合、開示請求が通らない可能性が高いことに注意しましょう。
本名・電話番号だけで住所を特定できるか?
一般的に、本名と電話番号だけでは個人の住所を正確に特定することは難しいです。これはプライバシー保護の観点から、通信会社・市区町村役所が情報を開示しないためです。
ただし、次のような例外が考えられます。
- 弁護士を通じて裁判所に対し再度の情報開示請求を行う
- 本人の同意のもと契約書などに住所が記載されている場合
- 過去の書面やSNSに公開されていた情報をもとに調査する
示談後に音信不通となった場合の対処法
示談書を交わしたにもかかわらず、相手が約束を守らず連絡が取れなくなった場合は、民事訴訟や簡易裁判での請求が有効です。
たとえば以下のような流れで対処します。
- 示談書を証拠として弁護士に相談
- 相手の住所不明でも「付郵便送達」などの手続きを申請
- 仮に相手が不在でも判決を得ることができる場合がある
警察に相談すべき?民事トラブルとして処理されるケース
連絡が取れないこと自体は刑事事件には直結しないため、警察がすぐに動く可能性は低いです。しかし、相手が示談金の支払いを前提に連絡を断ち、そのまま逃げたとすれば詐欺的な構成要件に当てはまる可能性もあります。
そのため、状況証拠を整理したうえで弁護士に相談することが最も確実なアプローチです。
再びTwitterに開示請求はできる?条件と現実的な選択肢
すでに投稿から3か月以上が経過している場合、Twitterへの再度の開示請求は事実上難しいとされています。
ただし、総務省やIT政策室などの機関が、開示制度の柔軟化を検討しているため、弁護士経由での相談によって例外的に認められる可能性もあります。
まとめ:証拠の保存と弁護士の活用がカギ
示談後に相手と連絡が取れなくなった場合は、冷静に対応することが大切です。本名・電話番号のみでは住所の特定は難しく、法的な手続きが必要となります。特にSNSでの名誉毀損トラブルは迅速な証拠保存が重要です。
万一のためにも、早い段階で法的専門家に相談し、適切な手続きを進めるようにしましょう。