交通事故により仕事を休まざるを得なくなった際、「休業損害」は非常に重要な補償項目です。特に頚椎捻挫や打撲で「安静加療」と診断された場合、補償対象になるのか不安な方も多いでしょう。この記事では、アパレル販売員など勤務形態が明確な職業における休業損害の対象や証明方法について解説します。
休業損害とは何か?基本の仕組み
交通事故で負傷し、仕事を休まざるを得なかった場合、被害者が本来得られたはずの収入を補償するのが「休業損害」です。正社員、パート、アルバイト、フリーランスなど形態を問わず対象になります。
加害者側の自賠責保険や任意保険会社に請求することで、損失補填が可能です。
「安静加療」は休業損害の対象になるのか
診断書に「安静加療を要する」と記載があっても、労務不能状態が明確であれば原則として補償対象です。
ただし、加害者側保険会社が「本当に労務に就けない状態だったのか」と確認する場合もあり、診断書の内容や医師の所見が重要になります。
休職と欠勤、補償の違いはある?
「休職扱い」でも「欠勤扱い」でも、出勤できなかった事実があり、収入が減少していれば休業損害の請求は可能です。
会社が労務不能期間について「休業損害証明書(休業証明書)」を書いてくれれば、支払いの根拠として十分に機能します。
診断書の内容は訂正できる?
「安静加療」とだけ記載された場合、医師に相談し「就労制限(例:就労不可)」の記載を加えてもらえることがあります。
医師は患者の回復状態や労務内容を把握したうえで、より明確な表現に修正してくれることもあります。通院先の医師に「仕事ができない状況が続いている」ことを説明しましょう。
労働先が証明書を書いてくれない場合
企業側が協力的でない場合、事故前3か月分の給与明細や源泉徴収票などで証明する方法もあります。
特にシフト制のパートやアルバイトの場合、出勤予定表や実際の勤務実績も補助資料となります。
計算方法と補償金額の目安
自賠責保険では、原則として1日あたり6,100円(上限)×休業日数で算出されます。
任意保険がある場合は、事故前の収入をもとに1日単価を計算して支給されることが多いです。たとえば月給20万円の人なら、1日あたり約6,666円が補償対象となります。
まとめ:医師の診断と会社の証明が鍵
・「安静加療」でも診断書+労務証明が揃えば休業損害の対象
・休職・欠勤の違いは補償額には直接影響しない
・医師に診断内容を具体化してもらうのも重要
正しい手続きをすれば、休業損害をしっかり受け取ることができます。迷ったら、交通事故に強い弁護士や行政書士への相談も検討しましょう。