交通事故でむち打ちの診断を受け、長期間にわたって通院を続けた場合、「いつまで通院すべきか」「保険会社との示談はどう進めるか」「慰謝料や通院費はいつ支払われるのか」といった疑問を持つ方も多いでしょう。ここでは、通院80回程度で回復が見込まれるケースを例に、事故後の終盤にやるべきことを解説します。
むち打ちの治療終了のタイミングは自分から申し出てOK
症状が改善し、リハビリ担当者や医師が「大分良くなっている」と判断しているのであれば、患者自身が通院終了の意思を伝えることはまったく問題ありません。
実際、保険会社から治療終了の打診がないケースも少なくなく、患者側から「今月で終了としたい」と申し出るのはむしろスムーズな進行につながります。
保険会社との連絡は自分から行って問題なし
治療終了の目処が立ったら、保険会社へ「今月で通院を終えたい」と連絡を入れておくと、その後の手続き(損害額の確定や示談案の提示)がスムーズに進行します。
また、領収書や必要な資料(駐車場代や通院交通費)をまとめておき、損害項目として伝えると対応が早くなる可能性があります。
慰謝料の相場と計算|80回通院でいくら?
自賠責保険では「通院日数×4,300円」または「実通院日数の2倍×4,300円」の少ない方で慰謝料が計算されます。
今回のケース(166日間で80回通院)の場合、「80回×2=160日」となり、166日より少ないため、160日×4,300円=68万8,000円が基本慰謝料の目安となります。
通院にかかったコインパーキング代やガソリン代も請求可能
自動車やバイクで通院していた場合、ガソリン代やコインパーキング代は、実費として加害者側に請求できます。
領収書や駐車券、走行距離のメモなどを保管しておくと証拠になります。実費分として数万円以上請求できるケースもあります。
過失割合が決まっていなくても示談手続きは進められる
被害者が過失ゼロでない場合は、過失割合が決まるまでは保険会社が全額補償しない場合もありますが、自賠責部分や治療費、休業損害については別枠で先に対応されることもあります。
焦らずに保険会社へ状況確認を行いましょう。必要に応じて弁護士に相談するのも有効です。
示談書送付と振込の時期目安
通院終了後、診断書や領収書を提出し、保険会社が損害額を確定させます。示談書は通常1〜2週間で届き、署名返送後さらに1〜2週間程度で振込が実施されるケースが多いです。
全体として、通院終了から1ヶ月程度で示談成立・振込まで完了するのが一般的です。
まとめ:早く終わらせるには自分から動くのが鍵
むち打ちの通院が一段落したら、自分から保険会社に連絡を入れて「今月で治療終了したい」「領収書をまとめたので損害項目を精算してほしい」と伝えましょう。
慰謝料や通院交通費、パーキング代の請求は資料があれば十分可能です。手続きを前倒しで動くことで、早めにスッキリと終えることができます。