法人や事業所を複数持つ企業にとって、電気料金の請求をまとめて管理できるかどうかは大きな課題です。特に九州電力において、20拠点近い使用場所の電気料金を一括で口座振替することができるのかという疑問を持つ方は多いでしょう。本記事では、九州電力における合算請求の可否や注意点、申請方法について詳しく解説します。
複数拠点の電気料金を一本化する「合算請求」制度
九州電力では、複数の契約を1つの請求にまとめる「一括請求」あるいは「合算請求」と呼ばれる仕組みがあります。これは主に法人や団体など、複数の電気契約を持つユーザー向けのサービスで、支払いの簡素化や経理処理の効率化が期待されます。
ただし、誰でも自動的に利用できるわけではなく、申請が必要となります。また、請求書まとめの方法や支払方法（口座振替・振込・請求書払いなど）によって、手続きや対応内容が異なります。
口座振替で合算請求するための条件
九州電力の公式情報によれば、複数拠点の電気料金を口座振替で一括処理すること自体は、特定の条件下で可能です。ただし、以下のような前提条件があります。
- 契約者名義がすべて同一であること
- 支払い口座も同一であること
- 電気料金の締日や支払期日を揃える必要がある場合あり
- 契約がすべて切り替え（他社→九電）後であること
また、九電の「ビジネスサポートサービス」などに登録することで、WEB上での料金明細閲覧や管理も可能になります。
コールセンターの説明とHP記載の違いはなぜ起こる？
実際にコールセンターから「申請すれば合算請求は可能」と案内される一方で、九電ホームページでは「できない」と記載があるという矛盾が見られることがあります。これは、家庭向けの情報と法人向けの情報が混同されているケースや、特定の条件を満たさない場合は不可という例外記載が含まれていることが原因です。
そのため、九州電力の法人向け営業所に直接問い合わせ、個別ケースとして判断してもらうのが最も確実です。
申請の手順と必要書類について
合算請求・口座振替の手続きを進める場合、通常は次の流れで行われます。
- 全使用拠点の契約が完了していることを確認
- 各拠点の「お客様番号」を取得
- 「一括請求申込書」や「口座振替依頼書」などの書類を記入
- 法人印の捺印
- 営業担当または法人窓口に申請書を提出
申請後は、1～2ヶ月ほどの審査・設定期間が必要となる場合があります。
合算できない場合の代替案とは？
どうしても合算請求が難しい場合は、以下の代替案も検討できます。
- WEBサービスによる明細管理（明細をCSV出力で自社会計システムに連携）
- 各拠点ごとにメール請求書を受け取り、経理部で取りまとめる
- グループウェアやSFAと連携し、月次の支払通知を統一管理
これらの手法を組み合わせることで、実質的に一元管理に近い形を実現できます。
まとめ：事前確認と担当窓口との連携が鍵
九州電力における複数拠点の口座振替合算請求は、特定の条件を満たせば可能である一方、申請手続きや窓口対応が必要不可欠です。ホームページ情報と実際の運用には差異がある場合があるため、最寄りの法人担当部署に確認しながら進めることをおすすめします。
経理効率を高めるためにも、早期に準備を進めましょう。