最近増加している詐欺手口のひとつが、「警察官を名乗る不審な電話」です。実在する警察署の名前や電話番号を使って信頼感を装い、個人情報やお金をだまし取るケースが後を絶ちません。この記事では、電話番号偽装による詐欺の仕組みと、騙されないための見分け方や対処法を詳しく解説します。
なぜ電話番号の偽装が可能なのか?
電話番号の偽装(スプーフィング)は、発信者番号を自由に変更できるIP電話技術などを悪用して行われます。これにより、電話の受信者側には正規の警察署の番号や有名な機関の番号が表示されるため、一見して本物に見えてしまいます。
悪質な業者はこれを巧みに利用し、「〇〇県警捜査二課の△△です」といった肩書きで信用させ、個人情報の聞き取りや振込指示を行うのです。
本物と偽物を見分けるためのチェックポイント
- 電話で口座番号や暗証番号を聞いてくるか:警察が電話で金融情報を聞くことは基本的にありません。
- 「事件に関わっている可能性がある」などの不安を煽る文言:詐欺の常套句です。
- 電話をかけ直すよう促されない:本物の警察なら、代表番号への折り返しを勧めてきます。
- 発信元番号をGoogleなどで検索して確認:本当にその警察署に繋がるかを確認しましょう。
確認したい正しい対応方法
少しでも不審に感じたら、その場で情報を伝えず、「こちらからかけ直します」と伝え、警察庁の公式サイトや電話帳に掲載されている番号に直接電話して確認してください。
特に「操作に協力してください」や「あなたの口座が狙われています」といった言葉には要注意です。実際には何の証拠もない状態でこうした連絡が来ることはありません。
実例:実在の警察署番号を騙ったスプーフィング詐欺
2023年には、東京都内で実在する警察署の番号を使って高齢者に電話をかけ、「詐欺被害の調査」と称してキャッシュカードを預かる手口の被害が複数報告されました。被害者は、電話の番号を検索して本物と確認したことで安心し、カードを渡してしまったのです。
このように、番号が本物でも安心はできません。内容に不審点がないか冷静に見極める必要があります。
万が一のための相談先
疑わしい電話を受けた場合は、警視庁や最寄りの警察署、もしくは消費生活センター(188)などに相談しましょう。また、警察庁の特殊詐欺対策ページにも有益な情報が掲載されています。
早めの対応が被害を未然に防ぐ最善策です。
まとめ:信頼できる番号でも油断せず、冷静な対応を
警察を名乗る電話であっても、すぐに信用してはいけません。たとえ表示された番号が本物でも、話の内容が不自然であれば詐欺の可能性を疑いましょう。自分や家族の身を守るためにも、情報は慎重に扱い、常に公式機関に直接確認する姿勢が大切です。