親子関係における遺産相続について、特に戸籍が別になっている場合や離婚後の関係に不安を持つ方は多くいます。この記事では、実の親子であれば戸籍が別でも相続権があるのか、そして注意すべきポイントについてわかりやすく解説します。
実の親子なら戸籍が別でも相続は可能
日本の民法において、遺産相続は「血縁関係」に基づいて決定されます。つまり、実の親子である限り、たとえ戸籍が別でも法定相続人となる権利があります。
親が離婚したことによって親子の戸籍が別になっていたとしても、親子関係が法律上存続している限り、その子は父または母の法定相続人です。
親子関係の証明は必要?
相続手続きでは、相続人であることを証明するために、戸籍謄本(全部事項証明書)をたどって血縁関係を確認します。離婚などで戸籍が分かれていても、出生から現在までの戸籍をすべて取得することで、親子関係を証明できます。
たとえば、あなたが現在父親の戸籍に入っていて、母が除籍されていたとしても、母の戸籍とあなたの現在の戸籍を併せて提出すれば、親子関係が証明されます。
母が亡くなった場合の相続権
母親が亡くなった場合、子どもであるあなたは第1順位の法定相続人です。母の配偶者がいない場合、全財産を子が相続します。配偶者(たとえば再婚相手)がいる場合は、その配偶者と子で分割することになります。
ここで重要なのは、相続放棄や遺言がない限り、子は必ず相続権を有しているという点です。
子が亡くなった場合の親の相続権
子どもが亡くなった場合、子に配偶者や子(孫)がいなければ、父母が第2順位の法定相続人になります。離婚により親権がなかった場合でも、実の親であれば相続権があります。
相続財産の有無にかかわらず、遺言がない場合には法定相続分に従って分割されます。親が2人いる場合には原則として各1/2ずつです。
相続における戸籍の注意点
相続手続きでは「法定相続人の確定」のため、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍が必要です。離婚などで親子が異なる戸籍に属していても、戸籍をつなぐことで相続関係を証明できます。
戸籍が多数にわたる場合や古い戸籍が読みにくい場合は、行政書士や司法書士に相談することでスムーズに手続きを進められます。
まとめ:戸籍が別でも親子なら相続権はある
結論として、実の親子であれば、たとえ戸籍が別でも相続権は法的に保障されています。離婚や転籍によって戸籍が分かれていても、親子関係を戸籍上で証明できれば、相続の権利は失われません。
不安な場合は、相続に詳しい専門家(弁護士・司法書士・行政書士)に相談し、早めに必要な戸籍の収集と確認を行うことをおすすめします。