交通事故の中でも多く見られる右直事故。とくにバイクと車の事故では、バイク側の被害が大きくなる傾向にあります。今回は、バイク側が任意保険に加入していても人身傷害保険がない場合、怪我や入院費がどう補償されるかを詳しく解説します。
右直事故とは?典型的なパターンと過失割合
右直事故とは、直進するバイクと右折しようとする車が交差点などで衝突する事故のことを指します。このようなケースでは、多くの場合で車側の方が過失が大きいと判断されます。
たとえば、バイク2:車8の割合で過失が認定されることが多いですが、状況によりバイク側にも一定の過失が認められることがあります。
人身傷害保険がない場合の補償の基本
任意保険に加入していても、人身傷害補償保険を付帯していないと、自分自身の怪我に対する補償はありません。つまり、自分の任意保険では入院費や治療費を直接賄うことはできません。
しかし、事故の相手(車側)に責任があると判断された場合、相手の自賠責保険や任意保険から賠償を受けることになります。
相手の保険でどこまで補償されるのか?
基本的には、自賠責保険から最大で120万円までの傷害補償が受けられます。この中には治療費、通院交通費、慰謝料などが含まれます。重症化した場合には後遺障害認定を受け、追加で補償を受けることも可能です。
さらに、相手が任意保険に加入していれば、自賠責の限度を超える部分についても賠償される可能性があります。任意保険の対人賠償責任保険がそれに該当します。
相手が無保険だった場合のリスク
もし相手が任意保険に加入していなかった場合、基本的には自賠責保険からの120万円までの補償しか受けられません。これを超える治療費は原則として相手に直接請求することになりますが、支払い能力がないケースも多く、回収は困難になることがあります。
そのため、バイクに乗る際には人身傷害保険や弁護士費用特約を付けることがリスク回避につながります。
実例で見る対応の流れ
たとえば、右直事故でバイク側が骨折し、治療費が150万円かかった場合、相手の自賠責から120万円が支払われ、残り30万円については相手の任意保険が対応します。相手が無保険なら、残額は自己負担または加害者に直接請求するしかありません。
まとめ:自分の保険内容を見直すことが最善の防御
バイク事故は自分の過失が小さくても大きな怪我につながる可能性があります。人身傷害補償の付帯は、相手の保険状況にかかわらず確実な補償を得るために重要です。
事故後に後悔しないためにも、保険の見直しと事故時の対応方法を事前に確認しておきましょう。