歩きスマホ中の接触事故とスマホ破損、法律上の責任はどこにある?

駅のホームや混雑した公共の場所では、歩行者同士がぶつかることがあります。特に歩きスマホによるトラブルは年々増加していますが、こうした場面でスマートフォンが落下して壊れた場合、誰に責任があるのでしょうか。本記事では、民事責任や過失の判断基準について、実例を交えて解説します。

接触事故における基本的な責任の考え方

民法上、他人に損害を与えた場合には「不法行為責任(民法709条)」や「過失による損害賠償責任」が問題となります。しかし、日常生活においての軽微な接触やトラブルは、双方に一定の注意義務があるとされ、どちらか一方が全責任を負うことは少ないです。

例えば、人混みの中で自然な動作で歩いていた場合、接触自体が避けられなかった可能性があり、法的責任が発生しないケースもあります。

歩きスマホは注意義務違反になる可能性

近年、歩きスマホは重大な注意義務違反として扱われる傾向があります。スマートフォンを見ながら歩行していた人が他者と接触し、事故が起きた場合、その人に過失があると判断されやすいです。

駅や公共交通機関では、掲示板やアナウンスで「歩きスマホは危険です」との注意が繰り返されているため、歩きスマホをしていた側に有利な判断が下されることは少ないでしょう。

スマホが破損した場合の責任と賠償の可否

仮に歩きスマホの人物のスマホが破損した場合でも、過失の度合いによって損害賠償が認められるかどうかが変わります。歩行中の接触が不可避だったり、相手が注意を怠っていた場合(=歩きスマホなど)、破損の責任はその人自身にあるとされる可能性が高いです。

さらに、「スマホを落としたのは自分の不注意」とみなされることもあり、損害賠償を求めるのは難しいこともあります。

睨まれた・反応がなかった場合の法的影響

トラブル後に相手が無視した、睨んできたとしても、それ自体は法的責任の有無には関係しません。ただし、トラブル後の対応として、相手に配慮のある声掛けをしていれば、誠実な対応をした証拠になります。

逆に、相手が悪意的・挑発的だった場合、仮に裁判になってもその態度が証拠として有利に働く可能性もあります。

万が一訴えられた場合の流れと対応

実際に訴訟になった場合、民事訴訟として扱われますが、2000円〜1万円程度のスマホ修理費などでは、訴訟費用や時間に見合わないため、訴訟にまで発展するケースは非常に稀です。

仮に通知書が届いた場合でも、裁判所からの正式な訴状でない限りは応じる必要はありません。ただし、正式な通知が来た場合は、内容を精査し、必要に応じて法律相談を受けると安心です。

まとめ:歩きスマホによる接触事故では、状況次第で責任が変わる

駅構内での歩行中の接触によりスマートフォンが落下・破損した場合でも、歩きスマホをしていた人に過失があるとされることが多く、一方的に責任を問われる可能性は低いです。

もしもの場合に備えて、トラブルの状況は記録し、相手に対して誠実に対応することが重要です。

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