国道や高速道路を走っていると、突然現れるオービス(自動速度取締装置)。「事故も起きてないのになぜあるの?」「ストレスにしかならない」と感じるドライバーも少なくありません。この記事では、オービスの目的や仕組み、設置基準、そして運転者としてどう向き合うべきかを解説します。
オービスとは?基本的な役割と仕組み
オービスとは、速度違反を自動で検知・記録するシステムです。正式名称は「自動速度違反取締装置」で、警察が管轄しています。設置された場所を通過する車両の速度をセンサーで測定し、基準を超えていればナンバープレートとドライバーの顔写真を撮影します。
撮影された違反データは、後日郵送で通知され、呼び出しや罰金などの処分につながることがあります。その場で止められるわけではないため気づきにくいですが、後日しっかり処理されるという点では他の交通取締と変わりません。
なぜ事故のない場所にもオービスがあるのか
「事故が起きたこともないのに設置されているのはなぜ?」という疑問はもっともです。オービスの設置基準は「過去の事故件数」だけではなく、将来的に重大事故の恐れがあると判断される場所にも及びます。
たとえば、見通しのよい長い直線道路はスピードを出しがちで、気づかぬうちに制限速度を超えてしまうこともあります。こうした場所での速度管理が重要とされ、事故が未然に防がれているケースも多いのです。
ドライバーが感じる「ストレス」の正体とは
オービスに対してストレスを感じる理由は、「捕まるかもしれない」という不安によるものが大きいです。特に、急に現れる固定式オービスは心理的なプレッシャーになります。
しかし、逆に言えばそれだけ「速度を守る意識が高まっている」証拠とも言えます。実際、オービス付近での事故率が下がるというデータもあり、安全意識の喚起という観点では一定の効果があるとされています。
オービスの種類と特徴
日本のオービスには主に以下の3種類があります。
- 固定式オービス:道路上の金属ゲートに設置されており、主に幹線道路に見られます。
- 半可搬式オービス:設置・移動が比較的容易で、必要に応じて運用されます。
- 移動式小型オービス:最近増えており、住宅地や学校周辺など生活道路でも利用されています。
このように、オービスは用途や場所に応じて多様化しており、従来より柔軟に交通安全を支える存在になっています。
オービスは撤去できるのか?
オービスの設置・撤去は警察と自治体の判断によります。交通量の変化、事故の減少、インフラの再整備などにより「役目を終えた」と判断されれば撤去されることもありますが、市民の申し出や不満だけでは撤去されません。
ただし、地域の交通安全協議会などを通じて意見を届けることは可能です。合理的な理由や代替案があれば、検討されるケースもゼロではありません。
まとめ:オービスの存在は「予防」のため
オービスは「事故が起きたから」設置されるだけではなく、「事故を起こさせない」ための予防的な役割を担っています。ドライバーにとってはストレス源に感じるかもしれませんが、結果として多くの命を守っている装置でもあります。
無理なスピードを出さず、交通ルールを守る運転ができていれば、オービスの存在はむしろ安心材料となるはずです。