駐車場のポールやフェンスに接触してしまう軽微な物損事故は誰にでも起こり得ます。警察を呼んで対応した際、「勤務先の電話番号まで聞かれた」「弁償になるのか不安」と感じる方も多いでしょう。本記事では、そうした場面に直面した際の警察対応の意図や弁償の可否について、実務経験と法律知識をもとにわかりやすく解説します。
警察が勤務先の電話番号を聞く理由とは
交通事故や物損事故において、警察が「勤務先の電話番号」まで聞くのは珍しいことではありません。基本的には本人と連絡が取れない場合の補完情報として記録するだけで、会社に直接連絡を入れることは稀です。
特に軽微な物損事故では、事故の詳細を会社に報告する必要性はありません。警察は連絡先としての情報を収集しているに過ぎず、会社に通報されることを過剰に心配する必要はないでしょう。
実際に会社へ連絡されるケースとは?
以下のようなケースでは、例外的に勤務先に警察から連絡が入る可能性があります。
- 本人が連絡不能、または連絡が取れない状況が続いている
- 事故後に逃走や無視など不誠実な態度があった
- 事件性がある場合(例えば施設への器物損壊や故意の接触)
ただし、一般的な物損事故でその場で警察に連絡し、丁寧に事情を説明していれば、会社への連絡が行くことは基本的にありません。
接触した施設のポールは弁償対象になるか
接触した対象物が壊れていない、あるいは明らかに過去にも複数回ぶつけられていたような場合でも、基本的に物に損傷(傷・塗料の付着等)があれば、その修復費用を求められる可能性はあります。
ただし、施設管理者の判断で「修理不要」とされれば費用負担は発生しません。ゴム製ポールで塗料が少し付着している程度なら、そのまま放置されることも多く、実際には請求が来ないケースも少なくありません。
弁償の有無は誰が決めるのか
弁償義務があるかどうかは、「被害者(=施設管理者や所有者)」が決定します。警察は損害の判断や補償交渉には一切関与せず、あくまで事故の事実確認までにとどまります。
施設によっては「軽微な事故は報告不要」「一定以下の損傷は弁償免除」といったルールを設けている場合もあります。可能であれば、後日施設の管理事務所に連絡し、「修理や請求があるかどうか」を確認するのが安心です。
物損事故後の適切な対応方法
- その場で警察に連絡する:事故の大小にかかわらず、報告義務があります
- 相手物件の管理者情報を確認:商業施設なら管理会社や警備事務所に聞く
- 損傷の有無を写真で記録:塗料の付着・変形・破損の有無など
- 連絡先は正確に伝える:勤務先は連絡先補完として記録されるだけ
上記を誠実に行えば、問題になることはほとんどありません。
まとめ:過度な不安よりも冷静な対応を
物損事故は誰にでも起こる可能性があるため、警察や施設側への誠実な対応が重要です。勤務先への連絡はよほどのことがない限り行われませんし、接触したポールの修理費についても施設側の判断によるため、請求が確実に発生するわけではありません。
不安を感じた場合には、自動車保険の相談窓口や施設の管理会社に直接確認することで、安心して次の行動に移ることができます。