車の運転に不慣れな初心者が起こしがちな駐車中の衝突事故。塀や壁にぶつかった場合、それが「物損事故」として処理されるのか、それとも「建造物損壊罪」に該当するのか、そして違反点数が付くのかといった疑問が浮かびます。この記事では、実際の対応や警察の処理方法を踏まえて、気になる法的区分や対応の流れを解説します。
塀や壁への衝突は「物損事故」が原則
一般的に、駐車時の誤操作で他人の建造物(塀や壁)を壊した場合でも、人身被害がない限りは「物損事故」として処理されます。
物損事故とは、人の生命・身体に被害がなく、財物の損壊にとどまる交通事故のことです。今回のように、塀が倒れたりブロックが破損していても、それが偶発的なものであれば、原則は刑事事件とはなりません。
建造物損壊罪が適用されるケースとは?
刑法第260条にある建造物損壊罪は、「故意に」他人の建物を壊した場合に成立する犯罪です。過失(うっかり)で起きた事故であれば、これには該当しません。
したがって、故意性がない限りは建造物損壊罪の適用はありません。警察官が現場で特にそのような点に言及しない場合、多くは「物損事故報告書」として事務処理されます。
違反点数は加算されるのか?
物損事故においては、原則として運転者に違反点数は付与されません。ただし、道路交通法違反(例:安全運転義務違反など)と判断された場合は例外です。
初心者であっても、今回のようなケースで安全運転義務違反が認定されると、3点加点されることがあります。ただし、警察官が現場で交通反則告知書(青切符)を交付していなければ、その時点での点数加算は行われていない可能性が高いです。
後日、通知や呼び出しが来る可能性
違反行為の有無や点数加算について、その場で説明がなくても後日、公安委員会や警察署から通知が届く場合があります。特に初心者であれば、「初心運転者講習」の通知が来ることも。
しかし、今回のケースでは他の違反が無ければ3点のみで、講習対象となる6点以上には達していないため、通知は来ない可能性もあります。
点数や処分の状況を確認したい場合の対応
違反点数が付いたかどうかを知りたい場合は、各都道府県の警察本部の運転免許課に電話で確認が可能です。本人確認のため、免許証番号などの提示が求められます。
また、一定期間経過後には運転免許試験場で「累積点数証明書」の交付申請をすれば、自身の違反履歴を把握できます(手数料あり)。
まとめ:初心者でも焦らず冷静に対応しよう
駐車場での塀への衝突事故は、基本的には物損事故として処理され、違反点数もその場で加算されない場合が多いです。ただし、安全運転義務違反などがあれば3点加点の可能性はあります。状況に応じて後日通知が届くこともありますが、気になる場合は警察に直接確認するのが確実です。
事故対応をきちんと行った上で、今後の安全運転に活かしていくことが最も大切です。