交通事故を起こしてしまい、過失割合が10:0で自分にあると判断された場合、被害者に対して修理費などの損害賠償を負担しなければなりません。しかし、支払いは事故直後に即発生するものではなく、一定の手続きを経て請求がなされるのが一般的です。本記事では、加害者側として知っておきたい支払いのタイミングと注意点を詳しく解説します。
支払いタイミングは「示談成立」または「請求書受領」後が基本
過失割合が確定していても、支払い義務が発生するタイミングは通常、被害者との示談が成立した後です。示談書に記載された金額に基づいて支払いが行われます。
また、被害者が先に修理を終えた場合には、修理業者から直接請求書が届くことがあります。その際は請求書に基づいて支払いを行うこともあります。
保険会社に任せている場合の流れ
自動車保険(任意保険)に加入している場合、多くのケースでは損害賠償の支払いは保険会社が一括して対応します。自身が契約している保険会社に事故の報告を行えば、保険会社同士の交渉や示談手続きも進められます。
特に「対物賠償保険」「対人賠償保険」に加入していれば、相手方への修理費や治療費の負担は原則として保険会社がカバーするため、自分で直接支払いをする機会は少ないです。
保険未加入または補償範囲外の場合
万が一、任意保険に加入していなかったり、補償対象外の損害(過失による備品破損など)が発生していた場合、被害者側から直接損害賠償請求を受けることがあります。その際は請求書を確認し、妥当性を判断した上で支払いを行う必要があります。
支払いに応じなければ訴訟リスクもあるため、請求額が高額であれば専門家に相談するのが安心です。
支払いの猶予や分割払いは可能か?
高額な修理費を一括で支払うことが難しい場合には、被害者と交渉して分割払いにすることも可能です。ただし、これはあくまでも相手方の同意が必要であり、示談書にその旨を記載して合意しておく必要があります。
また、任意保険に分割払いの特約がある場合は、保険会社に相談すれば柔軟な支払い計画を組んでもらえることもあります。
示談が長引く場合の仮払いの必要性
相手方の修理が早く進み、示談成立前に支払いを求められることがあります。このような場合には「仮払い」として一部を支払うことも検討されます。ただし、仮払いをすると後の交渉に影響を与えることもあるため、必ず事前に弁護士または保険会社に相談することが重要です。
トラブル防止のためにも、口約束ではなく書面に残しておくことが望ましいです。
まとめ:焦らず、正確な流れに沿って対応を
10:0の過失で事故を起こした場合でも、支払いのタイミングは「示談成立後」または「請求書受領後」であり、事故当日に即支払いが発生するわけではありません。保険に加入していればほとんどの場合は保険会社が対応します。
まずは冷静に保険会社や専門家と相談し、必要な手続きを確実に踏むことが大切です。分割払いや仮払いの可能性についても柔軟に検討し、無理のない対応を心がけましょう。