2019年4月に東京都豊島区池袋で発生した自動車暴走事故は、母子2人が亡くなるという非常に痛ましい事件でした。高齢ドライバーによる重大事故という点で全国的に注目され、加害者・被害者ともに報道の対象となりました。本記事では、その後ネット上で話題となった「両者の学歴」に関する情報や、誤解されやすいポイントについて整理・解説します。
池袋暴走事故の概要
2019年4月19日、東京・池袋で飯塚幸三元院長（当時87歳）が運転していた車両が暴走し、交差点に進入。信号無視のまま歩行者を次々とはね、31歳の母親と3歳の娘が死亡、他にも9人が重軽傷を負いました。
事故後、加害者が元官僚であったことから「上級国民」などと揶揄され、SNSやネット掲示板でさまざまな憶測やデマも拡散されました。
加害者：飯塚幸三氏の学歴
飯塚幸三氏は、東京大学工学部を卒業した経歴を持ち、通産省（現・経済産業省）の元幹部、工業技術院長、日本計量振興協会会長などを歴任していました。
そのため、事故後の報道でも「元官僚」「東大卒」といった肩書が注目され、「地位によって処罰が軽くなるのでは」という世論の批判を招く要因の一つになりました。
被害者の夫・松永拓也さんの学歴は？
亡くなられた母子の遺族である松永拓也さんは、事故後に記者会見を行い、加害者の責任を問うとともに、安全な社会づくりを訴えてきました。その人柄や発言力により、多くの支持と共感を集めています。
ネット上では「松永さんも東大卒ではないか？」という情報が出回っていますが、松永さん自身が学歴について公に明言した事実はありません。また、信頼できる報道機関や公式プロフィールにも東大卒であるという記載は見られません。
したがって、「東大卒同士の事故だった」という主張は根拠が乏しく、正確性に欠けると言えます。
なぜ学歴が話題になるのか？背景にある感情
この事件では、加害者が逮捕されなかったこと、そして東大卒・元官僚という経歴が重なり、社会的な怒りが「不公平感」として噴出しました。
その延長線上で「被害者側も高学歴なのか？」という関心が生まれたと考えられますが、事故の責任や悲しみの大きさは学歴とは無関係です。特定の属性に対して感情的に反応しすぎることで、本質的な問題が見えにくくなる恐れがあります。
まとめ：事実と憶測を分け、冷静に向き合うことが重要
池袋暴走事故は多くの人の命と人生に影響を与えた重大な事件です。加害者の飯塚氏は東京大学卒であることが明らかですが、被害者遺族の松永さんについては学歴に関する公的な情報は確認されていません。
本件に限らず、重大な社会問題においては、憶測ではなく事実に基づいた理解と、冷静な姿勢で情報を受け取ることが求められます。被害者の尊厳を守るためにも、誤った情報拡散には注意しましょう。