突然の国際電話で「成田空港国際警察遺失物センター」を名乗る相手から名前を呼ばれ、不審なやり取りがあった場合、多くの人が不安を感じることでしょう。この記事では、そのような電話の背景にある詐欺の可能性や目的、被害を防ぐための対策について詳しく解説します。
「成田空港国際警察遺失物センター」を名乗る電話の特徴
近年報告されている国際電話詐欺の中には、公的機関や空港名を使って信頼させようとするケースが増えています。「成田空港」「遺失物センター」「警察」などのキーワードを使うことで、信じて応じてしまう人を狙っています。
特徴的なのは、相手がフルネームを知っていたり、突然会話を終了するなど一見意味不明な挙動を見せることです。これには明確な「目的」があります。
なぜ名前を知っている？情報漏洩の可能性
個人名が知られている背景には、過去のWebサービスからの情報流出やSNSでの公開情報、懸賞や登録サイトなどでの個人情報提供があると考えられます。
例えば、何年も前に登録した通販サイトや無料アプリの利用で提供した情報が第三者に売却されるケースもあり、詐欺グループはその情報を使って「本物らしさ」を演出している可能性があります。
「はい」と答えるとどうなるのか？音声認証悪用の懸念
海外では「名前を言い当てられた後に『はい』と答える」ことで音声を録音され、それを別の契約に利用される被害も報告されています。たとえば、通販や有料サービスの申し込み時の「音声確認」として悪用されるリスクがあります。
今回のように質問の直後に電話を切られたのは、必要な音声データ（例：「はい」など）を取得した時点で目的を達した可能性もあるためです。
このような電話の最終目的とは？
この手の詐欺電話の主な目的は、以下のいずれかです。
- 音声データの取得（「はい」と答えた音声の悪用）
- 折り返し電話を促し、高額な通話料金を発生させる
- 不安を与え、後日再度電話して金銭を要求する準備段階
一見意味がないような電話でも、詐欺グループにとっては情報収集フェーズである可能性があります。
対策とすべきこと
このような電話への対策として、以下の点が重要です。
- 知らない国番号からの着信には出ない
- 出てしまった場合でも、個人情報は一切答えない
- 「はい」と言わせるような質問には注意する
- 音声認証が必要な契約サービスでは別の認証方法を選ぶ
- 不安な場合は消費者庁や警察のサイバー犯罪対策窓口へ相談
また、スマートフォンの着信設定で国際番号のブロックや着信拒否機能を活用するのも有効です。
まとめ：知らない番号からの着信には慎重に対応を
「成田空港国際警察遺失物センター」を名乗る電話は、公的機関を装った詐欺の一環である可能性が高いです。たとえ名前を言い当てられても、相手の正体が不明な限り慎重な対応が必要です。
身に覚えのない電話には「出ない」「話さない」「折り返さない」を徹底し、不安な場合は早めに専門機関へ相談しましょう。