交通事故によりチャイルドシートが破損した場合、保険会社が十分な補償をしないと感じるケースも少なくありません。とくに「経年劣化」を理由に減額される場面では、被害者として納得できないこともあるでしょう。この記事では、事故でチャイルドシートが壊れた場合の補償と交渉方法について、わかりやすく解説します。
事故でチャイルドシートが破損したらどうなる?
事故の衝撃を受けたチャイルドシートは、一見無傷に見えても内部構造に影響がある可能性があります。国土交通省やメーカーも「事故に遭ったチャイルドシートは使用を中止し、交換するよう推奨」しています。
そのため、保険会社が「使えるかどうか」の視点ではなく、「安全の観点」から交換を前提に補償すべきという考え方が一般的です。
保険会社の提示額に納得できない理由とは
保険会社が「8年使用していたため13000円程度しか補償できない」と主張する背景には、経年劣化に基づく時価評価の考えがあります。保険実務上、家電や家具と同様に減価償却されるため、購入価格満額が出ないことが多いのです。
ただし、交通事故の加害者側に100%過失がある場合は、被害者に不利益を与えない配慮が求められるべきです。保険会社の一方的な時価評価に疑問を持つ声も多くあります。
補償額の交渉方法とポイント
交渉時には以下のような点を主張することで、補償内容の見直しを求めることができます。
- 事故の過失割合が加害者100%であること
- チャイルドシートの安全性が損なわれたため買い替えが必要であること
- メーカーが事故後の再使用を禁止しているという事実(取扱説明書やメーカーHPのスクショなど)
可能であれば、新品の同等品の価格と証拠資料を提示し、納得のいく金額での補償を目指しましょう。
実際の事例:交渉で全額補償されたケースも
実際に、他の被害者が同様の状況でチャイルドシートの新品価格全額を保険会社から補償された事例もあります。「赤ちゃんの命を守るものだから」と強く主張し、安全上必要な支出であると認められたケースです。
また、弁護士に相談して「示談書に含める形で補償内容を記載させた」という声もあります。
弁護士特約があるなら相談を
自動車保険に「弁護士費用特約」がついている方は、無料で弁護士に相談・対応依頼が可能です。保険会社の言い分に納得できない場合、法的専門家の助言は非常に有効です。
補償額の交渉が難航した場合でも、法的視点からの指摘によって補償額が大幅に変わる可能性があります。
まとめ:チャイルドシート補償は主張すべき
・事故後のチャイルドシートは、安全性の観点から交換が必要
・経年劣化による時価評価に納得できない場合は交渉で全額補償の可能性もあり
・事故過失が100%相手なら、なおさら適正な補償を求めてよい
・証拠を揃えて冷静に交渉し、必要であれば弁護士特約を活用
赤ちゃんの命を守るための装備は、些細な妥協をすべきではありません。しっかりと主張し、納得のいく補償を得ましょう。