10対0の被害事故で毎日通院?保険の補償内容と注意点をわかりやすく解説

交通事故で被害者側が100%の被害を受ける「10対0」のケースでは、加害者の保険会社から治療費や休業損害、慰謝料が補償される可能性が高くなります。なかには「毎日通院すれば100万円近くもらえる」といった声もありますが、それは本当に現実的なのでしょうか?この記事では、被害者側に有利な保険請求の仕組みと注意すべきポイントを詳しく解説します。

10対0の事故とは?

「10対0」とは、過失割合において被害者に一切の過失がなく、加害者が100%責任を負う交通事故のことを指します。代表的な例は、信号待ちの停車中に後方から追突された場合などです。

この場合、被害者は自身の自動車保険を使う必要がないため、相手側の保険会社(加害者側)が治療費や慰謝料、休業補償などのすべてを負担することになります。

毎日通院すれば慰謝料は高くなる?

交通事故の通院に対して支払われる「慰謝料」は、原則として通院日数や通院期間に応じて算出されます。一般的な計算方法は以下の通りです。

  • 実通院日数×4,300円(自賠責基準)
  • または、通院期間×2×4,300円のうち、少ない方

たとえば、6ヶ月間(約180日)毎日通った場合は実通院日数180日となり、180日×4,300円=774,000円になります。ただし、これはあくまで自賠責基準の算出であり、任意保険会社や裁判基準では異なる場合もあります。

休業損害とは?

仕事を休まざるを得なかった場合には、「休業損害」として給与や収入の一部が補償されます。会社員であれば事故前の収入に基づき日額が算出され、主婦やフリーランスの場合でも一定の基準額が適用されることがあります。

しかし、「病院に通っていれば自動的に支給される」ものではなく、勤務先の証明書や収入証明などが必要です。過大な請求や虚偽の報告があると保険会社とのトラブルにもなりかねません。

通院回数が多ければ良いとは限らない

確かに、実通院日数が増えれば慰謝料も増額される傾向にありますが、通院の「必要性」が問われるケースもあります。保険会社は医師の診断書やカルテを確認し、「過剰通院」と判断すれば一部日数の慰謝料を認めないこともあります。

したがって、通院は自己判断ではなく、必ず医師の指示に従って行うことが重要です。特に整骨院や整体などへの通院が多い場合は慎重な対応が求められます。

保険会社との良好な関係を築くには?

「いい保険屋」と感じられるのは、適正な補償と迅速な対応があってこそです。そのためには、被害者側も誠実な姿勢で書類提出や通院実績を整える必要があります。

また、不明点があれば早めに確認し、法テラスや交通事故専門の弁護士に相談するのも一つの手段です。弁護士費用特約があれば、費用負担なしで交渉を依頼できる場合もあります。

まとめ:過大な期待ではなく、適切な補償を受けよう

10対0の被害事故では、保険会社から手厚い補償が受けられる可能性がありますが、通院や損害賠償の申請には注意が必要です。「毎日通えば高額慰謝料」という認識は半分正しく、半分誤解でもあります。

本当に必要な治療を受け、書類や証明を整えたうえで、保険会社と丁寧にやり取りを進めていくことが最も重要です。無理のない範囲で通院を継続し、正当な補償を受けることを目指しましょう。

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