近年、SNSや掲示板での発言がきっかけで法的措置に発展するケースが増えています。とくに誹謗中傷による開示請求や損害賠償請求は無視できない問題です。この記事では、開示請求や裁判所からの通知がどのように届くのか、そしてポストを確認しないことによるリスクについて詳しく解説します。
開示請求や損害賠償請求の通知はどのように届く?
誹謗中傷に関わる法的な通知には、主に以下のような手段が取られます。
- 内容証明郵便:損害賠償の請求書や警告文は、証拠性を持たせるために内容証明郵便で送られることが多いです。
- 特別送達:裁判所からの訴状や期日の通知は「特別送達」という手段で郵送され、通常の郵便よりも厳格に扱われます。
- 本人限定受取郵便:機密性の高い書類の場合、本人確認が必要な方法で届くこともあります。
これらはいずれも基本的に「郵便受け」や「郵便局からの通知」によって本人に届けられます。
ポストを見ないことで起こり得るリスク
ポストを長期間確認しないことは重大なリスクにつながります。たとえば、訴状や期日呼出状が届いても見落とすと、出廷しないまま欠席裁判で敗訴となり、損害賠償が確定してしまうことも。
また、内容証明の受取を拒否または不在で放置した場合でも「到達した」とみなされ、法的効力が発生することがあります。
裁判所からの通知はどのような形で届く?
民事裁判では、「特別送達」によって裁判所から通知が送られます。これは通常の郵便と異なり、本人に手渡しされるか、郵便受けに記録が残される形で行われます。
不在だった場合は不在通知が投函され、指定期間内に郵便局で受け取らなければならず、放置しても「送達」とみなされるため注意が必要です。
慰謝料請求書や相手の要望書も郵送で届く?
被害者側が弁護士を通じて損害賠償を請求する場合、その内容は「内容証明郵便」で送られるのが一般的です。そこには、謝罪要求・賠償金額・期限などが記載されています。
この段階で適切に対応すれば、裁判を回避できる可能性もありますが、無視すると訴訟に発展することになります。
実例:ポスト放置が招いた悲劇
あるSNSユーザーが匿名で誹謗中傷投稿をしたところ、プロバイダに情報開示請求がなされ、住所が特定されました。
その後届いた内容証明や裁判所からの訴状を放置したため、本人不在のまま裁判が進行し、約80万円の損害賠償命令が確定しました。
判決が確定した後、給与や口座が差し押さえられるという深刻な事態に発展しました。
まとめ:ポストを見ないという軽視が大きな損害につながる
誹謗中傷問題に関する法的通知は、郵送が基本です。ポストを定期的に確認しないと、大切な通知を見落とし、重大な損害に発展する可能性があります。
もし自宅に身に覚えのない内容証明郵便や特別送達が届いた場合は、すぐに中身を確認し、法的対応が必要であれば弁護士に相談することが重要です。