芸能人がニュースに取り上げられる際に「書類送検された」と報じられることがありますが、この「書類送検」がすぐに「前科」につながるわけではありません。本記事では、書類送検と前科の関係、示談による影響、そして過去の芸能人の例も交えて、一般の方にもわかりやすく解説します。
書類送検とは何か？
「書類送検」とは、警察が犯罪の疑いのある者に関して捜査を行い、その結果を検察に送る手続きのことです。つまり、事件が発生し、容疑者が特定された段階で、警察がその人の供述や証拠をまとめて検察庁に提出する行為です。
重要なのは、この段階ではまだ「起訴」されていないため、「有罪」が確定しているわけでもなく、「前科」もつきません。あくまでも捜査結果を検察に渡したという段階です。
前科がつくタイミングとは？
前科とは、刑事裁判で有罪判決を受け、その判決が確定した場合に記録されるものです。書類送検された場合でも、検察が起訴しなければ前科はつきません。
つまり、書類送検 → 起訴 → 有罪判決 → 判決確定 の流れを経て、初めて前科がつきます。逆に言えば、検察が「不起訴処分」とした場合や、裁判で無罪となった場合には前科はつきません。
示談が成立した場合の影響
被害者が存在する事件では、加害者と被害者の間で「示談」が成立することがあります。示談が成立し、被害者が加害者を許したという意思を示した場合、検察はそれを考慮して「起訴猶予」や「不起訴」にする可能性が高くなります。
その結果、前科がつかないまま事件が終結するケースも多く見られます。特に芸能人や公人の場合、イメージの観点から示談成立が報じられることが多いです。
芸能人の書類送検事例と社会的影響
芸能界では、これまでにも書類送検されたものの、不起訴処分となったケースが多数あります。しかし、たとえ前科がつかなかったとしても、イメージダウンや契約解除、活動休止など社会的影響が大きいのが実情です。
例えば過去に著名人が軽微な法令違反で書類送検された際も、メディア報道により多くの視聴者が「犯罪者」と認識してしまう傾向があります。こうした風評被害により活動自粛に追い込まれる事例もあります。
まとめ：書類送検イコール前科ではない
書類送検とは、あくまでも捜査資料を検察に提出する手続きに過ぎません。この時点で有罪が確定しているわけではなく、前科がつくわけでもありません。示談が成立すれば、起訴されずに終了する可能性も十分あります。
正しい法的知識を持って、感情的な反応や早合点を避け、冷静に判断することが大切です。報道を見る際にも、書類送検と前科の違いを理解することで、より正確な情報の受け取りができるようになります。