交通事故などによって発生する「むちうち」は、首まわりの筋肉や靭帯、神経にダメージを受けるため、長期的な痛みや可動域制限を招くことがあります。そのため、整形外科での適切なリハビリは早期回復の鍵となります。本記事では、むちうちのリハビリの具体的な内容、時間、効果などを詳しく解説します。
むちうちのリハビリはどんなことをする?
整形外科で行われるリハビリは、基本的に以下の3つのアプローチに分かれます。
- 温熱療法:ホットパックなどで筋肉の緊張を和らげ、血流を促進。
- 電気療法:低周波や干渉波を用いて、痛みの軽減や神経の刺激。
- 運動療法:首や肩の可動域を広げるストレッチや筋トレ、姿勢改善のためのトレーニング。
たとえば、リハビリの初期段階では無理な運動を避け、電気治療と温熱療法を中心に症状を緩和します。症状が落ち着いた後に、可動域訓練や筋力維持に移行していくのが一般的です。
1回のリハビリにかかる時間の目安
リハビリ1回あたりの所要時間は、施設や患者の状態によって異なりますが、おおよそ30分〜60分程度が標準的です。以下は一例です。
- 電気療法:約10〜20分
- 温熱療法:約10分
- 理学療法士による手技療法や指導:約15〜30分
週に2〜3回の通院を推奨されるケースが多く、状態によっては毎日通う方もいます。
患者の声:実際のリハビリ体験
ある30代男性は交通事故によるむちうちの診断を受け、整形外科で週3回リハビリを行ったといいます。初期は首の痛みでほとんど動かせず、電気治療と温熱療法中心でしたが、2か月ほどでストレッチと運動療法が加わり、約3か月で日常生活に支障がない程度まで回復しました。
また、40代女性の例では、整形外科でのリハビリと同時に自宅での軽いストレッチを指導され、首まわりの柔軟性回復に効果があったと報告されています。
リハビリは痛みの進行防止にも重要
むちうちは放置すると、慢性的な首・肩のこりや頭痛、自律神経失調症状などに繋がるリスクがあります。早期からの適切なリハビリにより、関節の可動域制限や筋力低下を防ぐことができるため、医師の指示に従い継続することが大切です。
特に自己判断で「もう治った」と通院をやめるのは危険です。違和感が残る場合や痛みがぶり返すケースもあるため、医師と相談しながらリハビリ計画を立てましょう。
整形外科と整骨院・整体の違いに注意
リハビリの相談をする際、整骨院や整体と混同する方も多いですが、医療機関としてリハビリを行えるのは整形外科です。保険適用や診断書発行の面でも整形外科の受診が第一選択となります。
整骨院では電気療法や手技による施術が行われますが、診断や医学的な治療計画はできませんので、交通事故による損傷にはまず整形外科を受診しましょう。
まとめ:むちうちリハビリは段階的なアプローチと継続がカギ
むちうちの治療において、整形外科でのリハビリは症状の緩和と後遺症の予防に重要な役割を果たします。電気療法や温熱療法から始まり、段階的に運動療法へ移行していくのが一般的です。リハビリの内容と時間は個人差がありますが、医師と理学療法士の指導のもと、継続的な取り組みが回復の近道です。